Round 8《"デカい"勝負》- Sam Stoddard vs. Gabe Walls
by Tim Willoughby

"これって、もしかしてミラー・マッチってやつ?"

"パイ食い競争で勝負つけるのはどうだい?"

Gabe Wallsは、ここインディアナポリスの英雄だ、彼はここまでをわずか1敗という成績でまとめ、ここまでの成績になかなか満足している様子のSam Stoddardにこの第8ラウンドで相対する準備は抜かりない。

Gabeは1度のマリガンにも関わらず、このゲームのファースト・アクションを取る展開、後攻での《未熟な鬱後家蜘蛛/Juvenile Gloomwidow》を送り出す。これはすぐさまStoddardの《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》に遭う。この"グリーン・ゴブリン(*1)"は、萎縮との相性がすこぶる悪いのだが、それでもStoddardは彼を出す展開には満足そうだ。

Gabeの場に《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》が現れ、Samは引いたばかりの《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》を送り出すまえに、《たなびく純白/Niveous Wisps》を唱えてGabeの《蜘蛛》1ターンの間封じ込める。しかし、Samの《フェアリー》に対してはすぐさま《今わの際/Last Breath》が飛んでくる。

続くターンにSamは《レイヴンの地の竜騎兵/Raven’s Run Dragoon》を戦線に加え、さらに切り札とも言える《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》を切る。Sameが3/3クリーチャーでアタックしてみると、Gabeの複数体によるブロックと、《審問官の罠/Inquisitor’s Snare》によって討ち取られることとなる。《鎖の呪い/Curse of Chains》がGabeの《蜘蛛》を無用の長物にしようとするも、《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》がインディアナポリスの英雄の攻撃を止ませはしない。彼の手札からは更に、息もつかせぬプレッシャーを与えるべく《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》までもが送り込まれる。

Samのドローは余り芳しいものではなかった。彼のライフは17、Gabeは12とリードこそしているものの、この時点で彼の場には、Wallsの素晴らしい戦線に対して、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》のみだ。《ゴンドの存在/Presence of Gond》が《種かごの魔女/Seedcradle Witch》へと付けられ、事態は上向きになるかと思われたが、Gabeに追いつくにはまだまだ及ばない。トークンを量産しつつ、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》が手に大きさに成長するにも関わらず、だ。Gabeの攻撃でSamのライフは5となり、多くのマナを立てたままターンを返す。

Samは《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》で攻撃し、《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》によって、どう正しいブロックをされてもGabeのライフを削りきるに十分なダメージをたたき出すことがでるようだ。

ただ、Gabeには1枚の手札が残されていた。

彼自身の《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》は、彼が続くターン、Samの膝を地に着かせるためのアタックをするまで生き延びるのに、十分だった。

"いい勝負だった・・・確かに君は酷いマナ・フラッドを起こしてはいたけれども。こりゃあ、これから先の試合もきっと悪いもんじゃないな。"

Sam Stoddard 0 - 1 Gabe Walls

第2ゲーム、後攻のGabeは1つマリガン。それでも、2ターン目には《未熟な鬱後家蜘蛛/Juvenile Gloomwidow》を展開し、Samがの土地が2枚で止まり、ディスカードを行う間にちょっとしたダメージを稼ぐ。Samが3枚目の土地に到達する間にGabeは5マナを用意するが、Samがプレイした《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》に対して難しい顔。Gabeは《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》へと《大霊の盾/Shield of the Oversoul》を付け、1度攻撃を通すと《夢への委託/Consign to Dream》により手札に帰還することになる。

《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》は《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》によって5/6となり、さらに大きな問題となる。《食いつくいましめ/Biting Tether》が《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》奪うと、突如としてGabeは窮地に立たされた。だが、まだその巨漢は終ってはいない。《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》と《傷跡/Scar》によって《蜘蛛》でSamの《しもべ》を討ち取り、後続に《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》を追加する。まだまだ。

Samは2枚目の《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》と《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》を送り出すも、Gabeは《魅了縛りのカカシ/Lurebound Scarecrow》で応戦し、《今わの際/Last Breath》を《フェアリー》に打ち込む。Samは満を持しての《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》。

"満足かい?ん?"とはGabe。

Samはまだターンを終えてはおらず、《大霊の盾/Shield of the Oversoul》を1体の《騎兵》へと付ける。

ここで、Gabeの携帯電話が鳴る。

"Cedric Philips?"と電話を取る。

"あぁ、元気でやってるよ。今Sam Stoddard相手にフィーチャーマッチやってるんだ。"

ここで彼はSamに電話を渡す。

"あぁ、Samだよ。俺達今試合中なんだ。"

Gabeはしばらく盤面を観察するのに時間を使い、Samが電話を切るとカードを片付け、第3ゲームの準備を始めた。

Sam Stoddard 1 - 1 Gabe Walls

この第3ゲームも、Gabe再びのマリガンを選択する。なかなか理想どおりとはいかないものだ。Samの白単色の展開に対してGabeは緑単色の展開。Samの最初のクリーチャーは《聖蜜の巫女/Oracle of Nectars》、対するGabeは《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》だ。これはちょっとややこしいダメージレースになりそうだ。

《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》は、Gabeが《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》をプレイする合い間に更なるやっかいとして降り注ぎ、GabeはSamの軍勢にひっきりになしに殴られ、《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》への《鎖の呪い/Curse of Chains》も対して状況を変えはしない。《大霊の盾/Shield of the Oversoul》はこのゲームにおいて"容赦ない"ってのがどういうものか分からせるのには十分すぎた。

Samは少し見回して、たった今2敗目をあげたGabeに慰めの言葉をかける。

"チキン食べたくないか?俺、買いにいくんだけど"

"あぁ、そりゃいいな!よし、行こう!"

Sam Stoddard 2 - 1 Gabe Walls






(*) -訳注

1, 筆者が意識したかどうかは、分かりませんが、ここで《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》は"Green Goblin"と表されていて、アメリカン・コミックの『スパイダーマン』に登場する敵で”グリーン・ゴブリン”ってのがいるので、せっかくなのでそれっぽく訳してみました。

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