Feature Match : Round 9
Gabriel Nassif (7-1) vs. Luis Scott-Vargus (7-1)
& Tomoharu Saito (6-2) vs. AJ Sacher (6-2)

by Rich Hagon



およそ100人以上はいるであろうかと思われる観客の波が、本日の大一番を一目見ようと押し寄せている。両者ともここまで7-1という成績で2日目を確実なものとしており、ここでの勝利は過酷な日曜日のさらにその先にある勝利をぐっと引き寄せることとなる。

Nassifは2ターン目の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で先陣を切るが、LSVもそれには第2ターンの《苦花/Bitterblossom》で応える。2枚目の《ヒル》を経過して、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を追加、続唱からは《途方もない力/Colossal Might》がめくれ、これをLSVが通せば致命的なダメージを叩き出す・・・・ハズだった。《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》がそれを阻む。それでも、2体の《ヒル》を4/4にサイズアップしながら責め続けるNassif、次のアップキープにはLSVのライフはわずか6となってしまう。続くターンでNassifは《ヒル》を育てることをせず、戦線に《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》を追加するもののそこにはすぐさま《恐怖/Terror》が。アップキープ、LSVのライフは3に、防戦一方。次のアップキープライフは2に、さらに必至の防衛戦。アップキープ、ライフ1の状態で《誘惑蒔き/Sower of Temptation》がNassifの《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》を奪い取るものの、すぐさま《名も無き転置/Nameless Inversion》によって《誘惑蒔き》が打ち落とされ、《巨像》は主の下へと帰る。もはやLSVにとっては《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》すら間に合わず、Nassifが引導を渡す。

Nassif 1 - Scott-Vargus 0


もう一方のフィーチャーテーブルでは、齋藤友晴がAJ Sacherを開幕から圧倒していた。場には2体の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》、クリーチャー化した《変わり谷/Mutavault》さらに齋藤は《名も無き転置/Nameless Inversion》を自身の《ヒル》にプレイすることで、それを7/1の殺戮マシーンへと変える。Sacherは一度に13点のダメージを受け、残りライフは1に、ジェイスが奇跡を自分にもたらしてはくれないことがわかると、勝ち星を1つ齋藤に譲った。

Saitou 1 - Sacher 0


Louisは初手を見るなり即座にマリガンを選択し、6枚の手札で第2ゲームに臨むことになるが、Nassifはダブルマリガン、5枚の手札でスタートとなった。再度、LSVは2ターン目の《苦花》から、ビートダウンの体制をとる。Nassifの《ジャンドの魔除け/Jund Charm》が場を一掃する一方で、LSVが《恐怖/Terror》で《克服者》を討ち取ってゆく。三度場が平らになり、その場をNassifが続唱《エルフ》で埋めようとる。続唱からは対象のない《マグマのしぶき/Magma Spray》がめくれ、《エルフ》自身は《砕けた野望/Broken Ambitions》で阻まれてしまう。同じように2枚目の《エルフ》が現れるがそこには《瞬間凍結/Flashfreeze》、しかしながらようやく続唱にて《転置》がめくれ、LSVのフェアリーを仕留め・・・るはずだったのだが、それすらも《ウーナの末裔/Scion of Oona》がインスタントスピードで立ちはだかる。続くアップキープの《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》はあまりに十分すぎ、勝敗は3ゲーム目に委ねられた。

Nassif 1- Scott-Vargus 1


反対側では、Sacherがひどく追い詰められているように見える。12点のライフを持ちながら、《谷》・《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》・《雲打ち/Cloudthresher》・《護民官の道探し/Civic Wayfinder》にたった1体の《谷》で相対しているという状況だ。ここから、”確立変動”とでも言うべきやり取りが始まる。始めにSacherは《苦悶のねじれ/Agony Warp》を2体の《谷》向けて放つ。1体を瞬殺し、もう1体を無力化してみせ、さらに残った2マナからは《雲打ち》めがけての《恐怖/Terror》、しかし齋藤にもまだ手は残されており、《転置》をSacherの1人ぼっちの《谷》へ撃ちこむ。全ての宣言と解決が終了したところで、ゲームを決めるかに思われた攻撃はわずか3点のダメージを与えるにとどまった。
それでも、齋藤はプレッシャーをかけ続ける。脅威に次ぐ脅威、そしてやはり再びジェイスがもたらすドローはSacherを救うには遅すぎる。昨年のプレイヤー・オブ・ジ・イヤー、齋藤友晴が2日目へと駒を進めた。

Tomoharu Saito 2 - AJ Sacher 0


ここまでに、LSVとNassifの第3ゲームはほどよく進んでおり、見たところ《ヒル》と《克服者》をコントロールするNassifが優勢のようだ。それでもゲームの前半では、Nassifは自身の続唱《エルフ》がひたすらに阻まれヤキモキしていた。1枚目は《瞬間凍結/Flashfreeze》によって、2枚目は《謎めいた命令》によって阻まれた挙句に《克服者》をタップされている。続いてNassifからは《思考囲い》、LSVの手札に残されたのは《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》と2枚の土地のみとなり、見たところNassifの勝利はすぐそこのように見えるが。
しかしながら、マジックというゲームはライブラリーのトップに眠るほんの1枚のカードが全てをひっくり返してしまう、というのは少なくない話だ。

そして今回、その好機はLSVに訪れた。

正に崖っぷちのこの状況、Nassifのターンに《くぐつ師の徒党》が1度死に、LSVはNassifの墓地から続唱《エルフ》を”借りて”くる。

アンタップ、アップキープ、ドロー・・・場には6枚の土地、ここでゲームはひっくり返る。
LSVはそのカードをキャストし、”装備”する・・・そう、《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》を!!

そしてアタック!!

突如としてライフトータルは10-3でLSVのリードという形になる。Nassifの顔が絶望と敗北の表情で満ちる。続くターンにLSVは《戦槌》を《くぐつ師の徒党》へと装備させ、抗いようのない空からのダメージを―最後のダメージを与えた。Nassifもまだ2日目をプレイするものの、LSVは8-1という好位置において明日の日曜日に挑むこととなる。

Luis Scott-Vargus 2 - Gabriel Nassif 1












---------- キリトリ -----------
や、やっと初日分が終わった。。。遅くてスイマセン。
Feature Match Round 8 - Manuel Bucher (5Color Bloodbraid) vs. Paulo Vitor Damo da Rosa
by Brian David-Marshall


Manuel Bucherは、2007-2008シーズンにおける、スイス代表メンバーとしての団体戦優勝、さらに4度にも渡るグランプリTOP8という大ブレイク以来、大人気マジックライターの一人だ。彼は今回Patrick Chapinからの熱いラブコールを受けて5色エルフ続唱デッキをしようしており、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》や《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》といった強力なアグロ・カード達を《謎めいた命令/Cryptic Command》の力でバックアップする、というものだ。彼はここまでの成績を6勝1敗とまとめており、”戦う大人気コラムニスト”としてのタイトルに箔をつけようとしている。一方のPaulo Vitor Damo da Rosaは、つい先週行われたグランプリ・バルセロナにて、自身がデザインしたスワンアサルトを駆りTOP8に入賞、マジック界に旋風を巻き起こしたばかりだ。バルセロナの優勝者であるJoel Calafellがその土地42枚のデッキを手放さなかった傍らで、Pauloの手元には白鳥の姿は見えない。ここへ来て彼は、彼の最も信頼のおけるデッキ、フェアリーの下へ戻ってきたのだ。



[Game 1]

Manuelが初動を《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》で飾る一方で、Pauloは《苦花/Bitterblossom》でそれに答える。2枚目の《ヒル》こそ《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》によって打ち消されるものの、1枚目の《ヒル》がどんどんライフ差を広げていく。Pauloの場が《火山の流弾/Volcanic Fallout》―フェアリーを帝王の座から引き摺り下ろした張本人とも言えるカード―がPauloの盤面を一掃すると、ライフトータルは14-11でBucherがリードしている。Pauloは少しでもManuelが本体への攻め手を緩めてくれることを期待しながら、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイするが役には立たない。Manuelは4点のダメージを与えた後に《呪詛術士/Anathemancer》をPaulo目掛けて送り出す。ブラジル人のライフは《苦花》により1となり、《人里離れた谷間/Secluded Glen》をセットした上でManuelのターンに一縷の望みをかけて《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をプレイするも、《流弾》によってPauloは丸焼きと相成った。



[Game 2]

《ヒル》は《砕けた野望/Broken Ambitions》よって弾かれ、立て続けての《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》は《瞬間凍結/Flashfreeze》によって阻まれる。Pauloはカウンターではないカード、《苦花》を見つけて設置してみせる。Manuelはしばらく傍観した後に場のクリーチャーを《流弾》で薙ぎ払う。さらに彼はアンタップしてから、《呪詛術士》でPauloに5点のダメージを与えようとするがそこには《謎めいた命令/Cryptic Command》が。しかし冷静にManuelは何事もなかったかのように即座に2枚目をプレイする。Pauloは少し肩をすくめ、アンタップすると《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》をプレイし即座に《スプライト》に装備する。Manuelは2枚目の《流弾》を手札に抱えており、再度場をキレイにしてみせるが、Pauloの次なる手は《剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore》、Manuelはこれを《謎めいた命令/Cryptic Command》によってバウンスしながらドローを進める。Pauloは《戦槌》を《変わり谷/Mutavault》装備させながら5点アタック。

Manuelは少しでも時間を稼ごうと《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をプレイするが、それがカウンターさてしまうと、彼らは第3ゲームへと進んだ。



[Game 3]

Manuelは2ターン目に《ヒル》、今回はPauloの側にはそれ続けて《苦花》が登場する。このゲームではManuelのデッキの爆発力が存分発揮されることとなり、続く《突撃隊》が3ターン目にして7点のダメージを叩き出す。これはPauloにとっては実に手痛い形でのManuelのデッキの力のお披露目となり、ペインランドからの1点のダメージとさらに《苦花》からもう1点、Pauloのライフは既に11点となっていた。フェアリートークンで《ヒル》をチャンプブロックしなければならなかったPauloのライフはそのターンの攻撃で8となる。Manuelはさらに《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を突きつけるが、そこはPauloが《谷》をクリーチャー化してからの《スプライト》で対処する。続くManuelのアップキープにPauloは《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をプレイ、アタックしてきた《突撃隊》を退けることに成功し、残る脅威は《ヒル》のみとなった。

Pauloはここで沈んではなるまいと、《死の印/Deathmark》で《ヒル》を退け、続く《嫌がらせ屋》も《砕けた野望》で捌く。しかしながら、残酷なことに2枚目の《呪詛術士》によってPauloのライフを2となり、Manuelの手札には更なる《流弾》が握られ、墓地にはもう1枚の《呪詛術士》が眠っている。しかしここまでに鮮烈土地のカウンターを使い果たしたManuelにはそれらのカードを使うだけの赤マナが不足していた。そうしてついに、PauloはManuelの猛攻の前に屈する事となる―《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》を呼び、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》が《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を葬り去ると、Pauloには彼の2点のライフが自身のエンチャントによって尽きる前にBucherを倒す手段は残されていなかった。


Final Result : Manuel Bucher wins 2 - 1


試合終了後、Manuelは少しばかり彼のデッキについて語ってくれた。彼が言うにこのデッキは、Patrick Chapinの努力の結晶に、ある別のプレイヤーが元々は入っていなかった2枚のカードをスパイスとして足すことによって完成したそうだ。そんな会話を交わしながら、彼はサイドボードに少なくとも今回の後半2ゲームの間は眠り続けていと思われる《謎めいた命令/Cryptic Command》を見せてくれた。

『僕はこのカード、毎ラウンド必ずサイドアウトしてんだよね。』とBucherは笑いながら言う。『僕が足したわけじゃないからね。』






---------- キリトリ -----------

昨日嵐が来たせいでインターネットの調子が悪くなって繋がらなくなったのですごくビハインド。頑張ってハワイ行く前には終わらせます。
Feature Match Round 7 - Sean McKeown vs. Joel Calafell
by Rich Hagon


毎回イベントカバレッジを熱心に読んでくれてる読者ならば、Joel Clafellが今日、一体何のデッキを使用しているのか、彼の続けざまのグランプリでエリートクラブに参加せんしているところを見てくれればわかるだろう。"壊れてないなら、直す必要はない"を信条に昨年のプロツアー・クアラルンプールにて輝かしい初のTOP8入賞を果たした、彼のスペイン人は、スワンアサルトデッキを使用している。対するテーブルの反対側に座っているのはstarcitygames.comで長年コラムを書き続けているSean McKeownだ。両者共にここまでを全勝で駆け抜けてきており(Calafellは3bye、McKeownはわずか1byeだ。)、ここでの勝者には2日目が約束されることになるだろう。



[Game 1]

6枚へのマリガンを経ながら、変わり映えしない手札をキープするCalafellに対して、McKeownは《運命の大立者/Figure of Destiny》を公開しながらの《ゴールドメドウの重鎮/Goldmeadow Stalwart》という力強いスタートを切る。《大立者》が続くターンに戦線に加わり、すぐさま2/2に成長する。《皺だらけの主/Wizened Cenn》がチームを強化し、Clalfellのライフは早くもわずか8となってしまう。ここでCalafellが動き出し、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を送り出し、当然続唱からは《突撃の地鳴り/Seismic Assault》がめくれ、即座に《主》を撃ち落とす。McKeownはさらに2点のダメージを与えてCalafellのライフを6とする、そして・・・

《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》。もし、次の5分間別の場所で何か建設的なことをやりたければどうぞご自由に。僕はそうさせてもらうよ。

・・・

・・・

Calafell 1 - McKeown 0


そこの好奇心旺盛な君のために言っておくと、Calafellは《地鳴り》の効果で彼の山のような数の土地を《白鳥》に向かって指し示し続けて、2枚づつカードを引いていった。その内1枚が土地で、彼はさらに繰り返す。繰り返す、繰り返す、繰り返す・・・。でもってたまには・・・というかほとんどの場合、2枚の土地がライブラリのトップから降ってきて1枚の余りができる、そうして時が来ればMcKeown目掛けて撃つ準備が出来る。9枚の土地が手札に溜まり、18点のライフは1瞬で0になった。どうかな?やっぱりプレイを1つずつ丁寧に解説したほうがいいだろう?

ははは・・・。



[Game 2]

7枚の手札をキープしながらMcKeownは、第2ゲームを《大立者》でスタートさせる、1点のダメージを与え、さらに《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》が戦線に加わる。Calafellがゆったりと《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》の秘匿能力を解決する内に、McKeownはさらに3点のダメージを与え、ここでサイドボードカードである《沈黙のオーラ/Aura of Silence》が登場、《地鳴り》の登場を遅らせ、それを止めてしまおうとする。《風立ての高地/Windbrisk Heights》来る後のターンのために何かを用意し、追加の《騎士》が加わる、つまり"後"ってのは早ければ次のターンだ。Calafellはタップアウトをしながら《白鳥》を場に送り出す。コンボのキーカードでありながら、そのパワー・タフネスも優れている・・・のだが、《流刑への道/Path to Exile》の前にお払い箱となってしまう。McKeownはさらに6点のダメージを与えて、Calafellには同じ6点のライフしか残されていない。ダメ押しとばかりに《地鳴り》指定の《真髄の針/Pithing Needle》をMcKeownはプレイ。

続いてCalafellは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をプレイ、《地鳴り》をプレイするために追加の2マナを払うかどうか、少し考えた後でそれを払うのだが、それはあまり現実的とは言い難く、McKeownが2枚目の《PtE》を公開して《エルフ》を葬り、彼のキスキンの群れが勝利の行進を行うための道をこじ開けた。

Calafell 1 - McKeown 1



[Game 3]

1つのマッチの中で1度だけ、Calafellは先攻を選ぶことができる、というアドバンテージを得ることができる。このアドバンテージは1つマリガンを取ることで若干薄れてしまい、彼は《反射池/Reflecting Pool》でゲームの口火を切る。McKeownは2ターンに《重鎮》でアタック、《高地》をセットしながら《大立者》を戦線に加える。

3ターン目はCalafellにとって大きなもので、ナチュラルドローから《突撃の地鳴り/Seismic Assault》をセットする。『こりゃあ、あんまり楽しくないなぁ』 と控えめな愚痴をこぼすMcKeown。しかしながら彼は、《幽体の行列/Spectral Procession》によってプレッシャーを与え続ける。Calafellはタップ状態で《樹上の村/Treetop Village》を追加するのみでターンを返す。

《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》がMcKeownの場に現れるに際し、Calafellは思考に沈む―彼の眼前に広がる化け物共を掃除するか否か―。彼は《世話人》が解決する前に《大立者》を撃ち落して見せるものの、3体の《行列》トークンと《重鎮》からきつい一撃をお見舞いされることとなる。タップアウトをしながら、Calafellは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》をプレイ、そして続唱からは2枚目の《地鳴り》がめくれる。McKeownにターンが返り、彼は《PtE》でエルフを葬り、Calafellは《山》を場に出す。さらにCalafellは《重鎮》を墓地に送るも、McKeownの場にはなお《高地》を起動するに十分なクリーチャーがおり、そこから《妄信的迫害/Zealous Persecution》をプレイ、Calafellのライフをわずか2点とする。《捕らえられた陽光/Captured Sunlight》でライフを6点に押しもどすCalafell、3枚目の《地鳴り》を着地させる。

McKeownは《谷》をクリーチャー化してアタック、Calafellにその土地を撃ち落すことを強要する、それはMcKeownにとっては《世話人》を起動する合図であり、Calafellのライフを1点とする。彼に一体何が出来るのだろうか?

《原初の命令/Primal Command》の命令が7点のライフを与え、クリーチャーをもたらし、Calafellの手札にはわずか2枚のカードが残される。《谷》と3体のトークンが攻撃してCalafellのライフは3に、プレッシャーを緩めまいとMcKeownはさらに追加で3体の《行列》トークンを展開する。

さぁ、これが本当にCalafellにとっての最後のチャンスだ。《陽光》が続唱で《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を呼び込み、《行列》トークンの1体を対象とする。それは6体の化け物を見事葬り去ることに成功する。いや、そうなっていたはずだった、と言ったほうが正しいか。不運なことに、McKeownの手札には《流刑への道》が握られており、レスポンスで対象となったトークンを消し去ったせいで対象を失った《脈動》はフィズらされてしまう。ここへ来て遂にCalafellは万策尽き果て、McKeownの勇猛な軍隊が、ただ、その任務を遂行した。
この先にさらに2つのラウンドを残しながら、McKeownが2日目への切符を獲得したのだ。



Sean McKeown 2 - Joel Calafell 1
Feature Match Round 6 - Sam Black vs. Gabriel Nassif
by Brian David-Marshall


Sam Blackは、アメリカ代表チームの一員としてチーム戦での優勝を収めるという2008年の大ブレイク以来、彼が参加できるイベントには必ず参加し、世界を駆け回ることに忙しい。現在は彼は、バルセロナとシンガポールの2つのグランプリでのトップ8と、京都でのトップ32という成績の下に、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーレースにおいて5位という好位置につけている。それは、彼のテーブルの反対側に座る大抵のプレイヤーを震え上がらせるには十分すぎるほど、実に印象的な功績だと言える。もちろん、今彼の反対側に座っているはその"大抵のプレイヤー"などではない、Gabriel Nassifは・・・えっと・・・Gabriel Nassifだ。彼は9度に渡るプロツアーTOP8、2度のプロツアー戴冠、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーの受賞者でもありながら、かのマジック史上でも他に例を見ない歴史的トップデッキ、プロツアー京都での準々決勝において”トップデッキ予告”というパフォーマンスを見せ付けた張本人でもある。彼はジョン、カイ、に続くゲイブとして、マジック殿堂入りがすぐ目の前に見えている―翌年、彼のプロツアーキャリア10年目となる年に。



[Game 1]

『それは4枚の顔かい?』と尋ねるSam Black。Gabriel Nassifは彼の5枚のノーランドのハンドをキープしていいものかと悩んでいた。

『僕は前にトリプルマリガンから勝ったことがあるよ。』 と溜息をつきながら自身の手札をデッキに戻し、最終的に4枚のノーランドハンドをキープすることとしたNassif。
Sam Blackは、Gabのデッキが《樹上の村/Treetop Village》を供給する前に《苦花/Bitterblossom》を着地させる。Samは土地が2枚で止まってしまうが、それでもGabのプレイするカードを全て裁くのには十分な策を持っていた。《恐怖/Terror》が《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》を葬り、ようやく土地を引き始めたGabからの2枚の《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターする。Samはただただ彼の部族エンチャントの後ろの座り、特に何をするでもなくGabの息の根を止めた。



[Game 2]

Samが《思考囲い/Thoughtseize》をプレイすると、数枚の土地、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》、《カメレオンの巨像》が公開され、Samは2マナの《ヒル》を叩き落す。2ターン後にプレイされた《突撃隊》は《スプライト》によってカウンターされ、Samは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を送り出す。NassifはそのプレイズウォーカーがSamに1枚のカードを供給した後に《呪詛術士/Anathemancer》で撃ち落としてみせる。Nassifは《村》と《呪詛術士》で攻撃するが、《村》の前には《羽毛覆い/Plumeveil》が立ちはだかり、Nassifは《難問の鎮め屋/Vexing Shusher》を場に追加する。

Samも負けじと《変わり谷/Mutavault》で2ターンのダメージをお返し。Nassifは相手の場に鎮座する壁への対抗策を見つけることができず、《カメレオンの巨像》をなんとか場に送り出さねばならなかった。十分すぎるアンタップ状態の土地と、手札を抱えながらも、小うるさい《鎮め屋》の前にそれを止めることが出来ない。《カメレオンの巨像》が4点のダメージを与え、《ヒル》がフランス陣営にさらに加わる。何一つカウンター出来ずにいたSamは、《謎めいた命令/Cryptic Command》で《巨像》を一旦バウンスしながらライブラリーを掘り進めてみる。

《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》がNassifの墓地から《突撃隊》の屍を掘り起こし、Nassifの大軍勢を少しでも押しとどめようとする。Nassifはアンタップし、《巨像》と《ヒル》をレッドゾーンに送る。Samは《羽毛覆い》で《ヒル》のみをブロックすることを選択し、Nassifは2点のライフを払うことでその交換を受け入れる、さらにNassifはブロックされなかった《巨像》4マナを払ってパンプする。Samは返す刀で《徒党》で空から3点のダメージを刻むのみでNassifに再びターンを返す。

Nassifは全軍で攻撃する。Blackは手札に抱えていた《スプライト》で《巨像》をブロックしながら、《谷》で《鎮め屋》を討ち取る。Nassifは《克服者》をもう1枚の《克服者》公開しながらプレイし、SamはそこにX=0の《砕けた野望/Broken Ambitions》をただ激突のために撃ってみせる。 『払ったよ』とNassifは言いながら《克服者》を場に送り出すと、Samは次のターンにはカードを片付けた。



[Game 3]

満足のいかない表情で1枚、2枚単位でカードを入れ替えながらNassifはサイドボーディングを修繕する。両プレイヤーは、1ゲーム目と2ゲーム目の間に、サイボーディングで3分を超過してしまったためにすでにワーニングを受けてしまっている。Samは 『ここでタダで1勝もらえたらいいのになぁ。君がサイドボードを始めた時間、メモを取っておけばよかったよ』と冗談を言ってみせる。

1回のマリガンを経て6枚になった手札をSamはキープする。SamはNassifの2ターン目の終了時に《スプライト》をプレイし、続くターンに《思考囲い》を撃つ。Nassifの手札を一瞥して《巨像》を取り除く。その代わりにNassifの手札には《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf)》が残され、Nassifはそれをプレイ、続唱からは《ヒル》がめくれる。Samは《ヒル》をカウンターしながら3点のダメージを受け、さらに《くぐつ師の徒党》で《巨像》を奪い取る。

Nassifは赤緑の《エルフ》でアタックしながら《途方もない力/Colossal Might》でダメージを上乗せ、続いて《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》―彼が最後までサイドボードで悩んでいたカードだ―を場に送り出す。Samは《スプライト》のみで攻撃を返し、黒い《徒党》はブロックに回す構え。Nassifが《真髄の針/Pithing Needle》をプレイするとSamはレスポンスで《谷》をクリーチャー化、Nassifはその《谷》をしてこのターンは攻撃せずに終える。1ターン後のNassifからの《囲い》は《瞬間凍結/Flashfreeze》と《砕けた野望/Broken Ambitions》を公開し、Nassifは後者をSamの手札に残す。Nassifは一瞬思考を巡らせた後で、《村》をクリーチャー化し、勝利を掴み取った。

『あそこで僕が何も持ってないってことがバレてほしくなかったんだよね』 とSamは溜息をつく。

『最初は君が場で死んでることに気が付かなかったよ』とNassif。

両プレイヤーがマッチの後の片付けと結果処理を行っていると、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》にNassifのサインを貰おうと待っていた1人のプレイヤーが飛び出してきた。

このテーブルの担当だったジャッジは両者がリザルト・エントリー・スリップを記入し終えるまで待つように言うと続けて、 『俺が最初にサインしてもらうんだよ』、と。


Final Result : Gabriel Nassif 2 - Sam Black 1
Feature Match Round 5 - Luis Scott-Vargus vs. Dan Lanthier
by Rich Hagon


2008年のカナダチャンピオンであるDan Lanthierは、先に控えたプロツアー・ホノルルに先駆けてこの地にやってきた。しかし、来週末の彼の対戦相手は誰一人としてLuis Scott-Vargus以上に強大にはなりえないだろう。
その正確無比なプレイスタイルと、その歴史的とも言える彼の一連の連勝劇に多大な賞賛を受け続けながら、彼は自身を過去最高プレイヤー60人―お気に召さなければ40人でもいいが―の内の一人として位置づけた。



[Game 1]

Lanthierの1度のマリガンを経て―もっとも彼はその6枚にもよほど不満の顔を見せているが―LSV側の《人里離れた谷間/Secluded Glen》でゲームはスタートする。『どうやらフェアリーみたいだね』 と言うLanthierの言葉は、続くターンのデッキの象徴とも言える《苦花/Bitterblossom》によって確実なものとなる。Lanthierの場に《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》が登場することで彼のデッキは5色エルフ続唱と判明し、マッチアップは明らかとなる。

《ウーナの末裔/Scion of Oona》がアメリカ陣営に加わり、《思考囲い/Thoughtseize》がそれぞれ2枚づつの《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》と《謎めいた命令/Cryptic Command》、そして《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を公開し、LSVは2点のライフを犠牲にその《エルフ》を墓地へと送る。続く《突撃隊》は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》によってカウンターされ、猛攻が続く。2ターン目の《苦花/Bitterblossom》が全てを決した。



[Game 2]

第2ゲームはLanthierにとってはるかに良いものだ、2ターン目の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech)》は続くターンに自身のライフを食いながら4点のダメージを与える。《呪詛術士/Anathemancer》がそれに続き、LSVのライフを14点とする。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》の続唱によって《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》がめくれるが、これはあまり良い結果ではない。インスタント・スピードの《羽毛覆い/Plumeveil》が《エルフ》を墓地送りにする。Lanthierからの《羽毛覆い》を対象とした《脈動》は《謎めいた命令》に阻まれる。ダメージをスタックに乗せた上でLSVは《変わり谷/Mutavault》(《呪詛術士》とまさに相打ちになろうとしている)を覇権しながら《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をプレイする。

ここで序盤からカナダ人が握っていたゲームの主導権は突如としてアメリカ人のものとなる。再びの《徒党》の攻撃により、Lanthierのライフを6とする。そのターンの終了時にLanthierは《謎めいた命令》で《徒党》をバウンスしながら1ドローを行う。彼は続いて《突撃隊》を送り出すが《瞬間凍結/Flashfreeze》によってカウンターされてしまう。LSVの場はまっさらだが《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》と《谷》がその出番を待っている。Lanthierのアップキープに《徒党》が登場し、LSVが彼の《谷》を覇権しようとしたところに、Lanthierの手札に残された1枚のカード、カウンター不可である《火山の流弾/Volcanic Fallout》がプレイされる。LSVはゆっくりと彼の《谷》が墓地へ送られるのを見送った後で、《集会場》をクリーチャー化した上で《徒党》の覇権を成功させる。そこからはLanthierには成す術は何も残されておらず―丁度昨年のほとんどの競技マジックのために世界中を回った時のように―Luis Scott-Vargusが、まるで微塵のプレッシャーも感じていないかのように、悠々と勝利の一撃をお見舞いして見せた。



Luis Scott-Vargus 2 - Dan Lanthier 0
Feature Match Round 4 - Raphael Levy vs. Mark Herberholz
by Brian David-Marshall



『俺、今日は一日Nassifの草履を温めてなきゃいけないよ』 (※1)と言うのはHerberholz、夕べ徹夜で飲み明かしたせいで今日プレイするデッキを持っていなかったのだ。彼はNassifの予備デッキが、この週末で彼の目標を達成するのに十分だと考えた。それはNassifがプロツアーを制するのに十分な力を持ち、京都を制したデッキにこれほどなく似通っていた―Herberholzはこのデッキがまだ幾分かの勝利をもたらす可能性があると信じたのだ。

一方のRaphael Levy、彼のほんのわずかな時間の成功に満ちたZooへの浮気に至るまでは、彼は常に鳥かエルフからの2ターン目の強力な3マナ圏の着地を可能とするデッキを使い続けていた。そして、今大会における彼のデッキ選択であるドランは再びその型に回帰する形となっている。



[Game 1]

Raphael Levyは、Markが《鮮烈な岩山/Vivid Crag》をただ場に出すのみにとどまる間に、《貴族の教主/Noble Hierarch》でこの試合の幕を開け、続くターンには《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》を送り出す。さらに続くターンには、Levyは追加の《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》と《ツリーフォークの先触れ/Treefolk Harbinger》を繰り出し、その能力によって《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を更なる脅威として用意し、Markに《聖騎士》で8点のダメージを与える。Markは自身のアンタップを迎えると注意深く3枚目の土地をセットしながら《聖騎士》の能力を確認する。 『こいつの能力ってスタックに乗るんだよな?』と質問するMarkの目は自分の手札にある《火山の流弾/Volcanic Fallout》を見つめていた。Raphは《ドラン》をプレイすると、2体の《聖騎士》と《先触れ》で攻め立てる。Markは《流弾》によって1度に4体のクリーチャーを一掃することに成功するが、場に残された《ドラン》と《先触れ》はわずかに残されたMarkのライフを食い尽くすには十分だった。



[Game 2]

この第2ゲーム、Raphは2枚目の土地を見つけることが出来なかったが、3ターン目には彼のデッキにある4枚全ての《教主》を全て場に送り出した。Markは対象のない《砕けた野望/Broken Ambitions》を手札に抱えたままじっと座っている。《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》が解決され、Raphは《教主》で4点の攻撃を行う。Markは続くRaphのアップキープに《流弾》を撃ち込むがRaphは冷静に自らの《教主》に《流刑への道/Path to Exile》を撃ち、切望していた3枚目の土地を獲得する―彼は前のターンに《つぶやき林/Murmuring Bosk》を手に入れていたのだ。Markが《熟考漂い》でタップアウトしている隙に《先触れ》を解決し、《ドラン》を探す、続くRaphのターンにその《熟考漂い》は《先触れ》の前に立ちはだかる。《神聖なる埋葬/Hallowed Burial》によって一旦場がキレイになるも、Raphは続けて《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》を送り出す。だが、それはさらに《羽毛覆い/Plumeveil》に阻まれる。
《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》がMarkの場に降り立つ。Raphは《ドラゴン》の本体を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で葬る。Markはさらに追加の《ドラゴン》を場に出し、Raphも2枚目の《脈動》それに答えるが、まだその《ドラゴン》の置き土産に対応しなければならない。Markが《ドラン》に対して撃った《砕けた野望》の激突から、《謎めいた命令/Cryptic Command》がめくれるとRaphはそれ以上の抵抗を辞め、3ゲーム目と進むこととなった。



[Game 3]
1回のマリガンを経てLevyは《教主》から2ターン目に《嫌がらせ屋》と力強いスタートを切る。X=1の《砕けた野望》が飛んでくる可能性を考えてRaphは《結び蔦の神秘家/Knotvine Mystic》(※2)を1ターン遅れで、それをカバーするマナを用意した上で場に送り出す。Markは再度《流弾》を放つが、先のゲーム同様、Raphも《流刑》によって後続のための更なるマナを用意する。Raphが自身の《樹上の村/Treetop Village》を起動して攻勢に移ろうとするが、Markは《謎めいた命令》でそれをタップし、1ドローをする。Markは通常コストで《熟考漂い》をプレイするが、Raphが《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》をキャストするに至って《嫌がらせ屋》と交換とはいかない。続くターンでMarkは自身の《脈動》でその《嫌がらせ屋》を処理してみせる。Raphがホノルル・チャンピオンに《思考囲い/Thoughtseize》をお見舞いするとその手札からは《砕けた野望》・《謎めいた命令》・《エスパーの魔除け/Esper Charm》と2枚の土地が公開される。Raphは《命令》ではなく《魔除け》を落とすことを選び、《聖騎士》をプレイ、MarkはRaphが追加コストを払うのに十分のマナを有していることを知りながらも激突を行うために《砕けた野望》をそれに打ち込む。RaphはそれによってMarkのライブラリーから《流弾》が公開されると、目に見えて落胆してしまう。

それでも、Raphの《村》が果敢に攻撃を繰り返し、Markのライフは気が付けば2まで落ち込んでいた、しかし《熟考漂い》の助けを得ながらMarkは《原初の命令/Primal Command》をキャストすることに成功。7点のライフを獲得して自身のライフを9とし、さらに《ドラゴン》を探し出す。彼はさらに《熟考漂い》で空から2点のダメージをも追加する。MarkはRaphの《ドラン》には《霊魂放逐/Remove Soul》という回答を用意しており、彼のライフは《村》の攻撃によって6となるが、《ドラゴン》が後に控えているにあたって、Raphは彼の手を伸ばした。



Final Result: Mark Herberholz wins 2 - 1











1-まぁ、要するにデッキを丸ごと貸してもらったHerberholzはNassifに今週末頭が上がらないってことで、直訳すると『椅子を揺らしてやらないといけない』とかになるんですが、折角なので日本的表現で訳してみました。秀吉のエピソードですね。

2-たぶん《結び蔦の聖騎士/Knotvine Paladin》の誤植だと思うんですが、レシピが不明なので一応そのままにしておきます。


つーか、Herberholz徹夜飲み明けかよ、スゲーなww
Feature Match Round 3 ―
Anthony Ferraro vs. Brian Kibler & David Colby vs. Jeff Cunningham

by Rich Hagon


今をときめくプロプレイヤーたちが3バイを消化してゆく間に、マジックの歴史書に輝かしい名を残す数名のビッグネームたちがすでに熱い戦いを繰り広げている。
その2名とは、時を遡ること1997年のグランプリ・トロントの王者Brian Kibler、そしてカナダ人のJeff Cunningham、2002年フィラデルフィアでの勝者だ。
Kiblerは同じアメリカ人のAnthony Ferraroとの初戦において、彼の猛攻の後にわずか3ターンで敗北してしまった。《ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniac》、2体目の《偏執狂》と《モグの狂信者/Mogg Fanatic》、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》・・・その間2枚の《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》を見せることしかなかったKiblerは早々に事切れてしまった。
一方のCunninghamも、彼の駆るスワン・アサルトデッキがDavid Colbyの設置した―間違いなくこの週末、ありとあらゆる場所で見られるであろうカード―《真髄の針/Pithing Needle》(《突撃の地鳴り/Seismic Assault》指定)に対する回答を見つけられないまま1ゲーム目を落としていた。

とはいえ流石はビッグネームの両名、すぐさまに勝ち星を取り戻す。
Kiblerは《風生まれの詩神/Windborn Muse》を従えて―いいよ、思う存分確認しなよ。―さらに完璧なタイミングの《神の怒り/Wrath of God》によってゲームの主導権を握りながら、満を持して《目覚ましヒバリ/Reveillark》を想起。勝利をもたらすこととなる《熟考漂い/Mulldrifter》を場に送り出すのだった。
Cunninghamもまた、アラーラ再誕のスターカードの1枚である《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を駆使して、注意深く《真髄の針/Pithing Needle》と《ルーンの光輪/Runed Halo》がはびこる地雷原を潜り抜け、場を均衡させようと現れた《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》をも打ち落としながら勝利を掴むこととなる。

だが運命は時に残酷である。(※1)

両古豪(Kiblerは僕の記憶が正しければ28才になるから文句言ってくるかもしれないけどね!)は初戦を勝利で飾ることには相成らなかった。
Junkhackblade.deckにはこれっぽちの情けのかけらすらなく、名前に恥じぬカードパワーを持つ《途方もない力/Colossal Might》がFerraroに勝利をもたらし、その間にColbyは今一度、Cunninghamのデッキが与えるダメージ―すなわち、わずかのスペルのために犠牲にした数字、平均60点だ(※2)―の射程外まで自らのライフを持っていくことに成功していた。

彼らの対戦の後に、何故更なる勝負のために、何度もこの場に戻ってくるのかを聞いてみた。
Kiblerはこう言う―『マジックってのは、知力に対する挑戦だけじゃなくて、創造力に対する挑戦でもあると思ってるんだ、っていうのも、1つのフォーマットに対して革新的な視点から取り組むこと出来たとき、そこには確実に相応の評価と報酬が待ってるからね。マジックオンラインにおける膨大なまでの情報量はほんとに贅沢さ、90年代後半からは考えられない。君自身がプレイテストをしていなかったり、特定のプロプレイヤー・チームに繋がりがなけりゃ大抵環境は未開のままだった。今、鍵になっているのはその情報を使ってフォーマットの"隙間"を見つけること。でもその隙間ってのは、"すでに出た結果"ではなくて"この先これから出ると予想される結果"でなくてはいけないんだよ。』

バルセロナでのかすれたペンのインクのような思わしくない結果から、Cunninghamはテストプレイを続けた。
『僕はこのイベントのためにたくさんのテストプレイをした。そこから感じたのは、ほとんどのデッキが5色コントロールに対して問題を抱えてるってことだ。』
両プレイヤーは共にメタゲームが毎週変わっていっていることに納得していた。国別選手権予選においては白黒トークンが環境を支配し、ターボフォグやスワンアサルトといったデッキ達にチャンスが巡ってきた。Cunninghamは、この結果を受けたスワンメタの嵐が心配ではなかったのだろうか?
『特に心配はしなかったよ。このデッキはありとあらゆる角度から対戦相手を脅かす、それにカードを探すことがそのまま勝ちに直結している、勝利のために相手を遅らせたりそのための準備を整えるよりも単純で強力だし、それらは大概すごく難しい。それにこのデッキは、プレイイングを見ても、果たして何をやろうとしているのかってのが見えにくいのも利点なんだ。だから、たとえ君の対戦相手が正しい対策カードを正しいタイミングで使えたとしても、君にはまだ十分勝つチャンスがある。』

Kiblerについて、彼のデッキは彼がデッキにつけた名前"Pikulark"が示すように、多くのスターカードが盛り込まれている。Chris Pikulaはオリジナルバージョンであるプレーンシフトの《翻弄する魔道士/Meddling Mage》にフィーチャーされ、今回アラーラの再誕において採録された。そして彼はこの青白2マナのクリーチャーが《神の怒り/Wrath of God》や《熟考漂い/Mulldrifter》、そして強力な《目覚ましヒバリ/Reveillark》を擁するこのデッキに合うと考えた。そしてさらにKiblerはこう付け足した、『それから偶然の巡り会わせか、《風生まれの詩神/Windborn Muse》もパワーが2だったのさ!』

Cunninghamは彼の"The Magic Academy"―ここ、magicthegathering.comにおいて連載され、新規プレイヤー達に今までにほぼ例を見ないやり方でこのゲームの基礎を伝授している。―における象徴的な活動で広くその名を知られている。さて、一体何が彼を、この最高峰のマジックプレイヤーが集う場へと引き戻し続けるのだろうか?
『熱を上げてるんだよ』 と、彼は認めた。

では、Kiblerは?何がKiblerを"まだ足りない"と、この場に引き戻し続けるのだろうか?
『僕はBen Rubinと一緒にプロツアー・ホノルルのために調整してたんだよ・・・あれは確か2001年だかその辺だったかな?彼はある1ゲームの途中で手を止めて僕にこう言ったんだ。"・・・なぁ、お前さ、同じマジックのフォーマットを丸1年練習できたのに、何一つ答えが見つかってないよな"・・・これが、僕の質問に対する答えさ。』








(1)―Unfortunatelyを完全意訳。カバレッジ部分がおまけみたいになってるんでちょっとでもドラマチックにしようかと思いまして(笑)

(2)―要するに、デッキ内に土地と《突撃の地鳴り/Seismic Assault》しかなければ60点は容易に叩きだせるのに、コンボを安定させる続唱スペルを入れるために土地を削ったことで(当然入れるべきだけど)、その60点に届きにくくなってしまっており、対戦相手のライフがそこまで達してしまって勝てなかった、ということですね。ちょっとした皮肉。



っていうか、Brian Kiblerカッコ良すぎる。

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