《"ヒル"を越えて?》
by Rich Hagon
僕以外にこの世界で語ることが出来る人はもう数人いるんだけど、Zac Hillは毎回勝つ、だからHill氏がこの日の最初のドラフトで2番テーブルに座るとき、僕はすでにワクワクしてたんだ。彼の右隣にはBen Rasmussen、その向こうにはGaudenis Vidugirisが。彼の左手にはJeremy Shapiroが座って、2番テーブルのドラフトはウィスコンシン州はマディソン行われてるかのよう。そこにPaulo Vitor Damo da RosaとJelger Wiegersmaが海の向こうから最高のスタートを切るべく狙いを定めている。
《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》はみんなも知っている通り素晴らしいスタートだ、そこにZacは《神格の鋼/Steel of the Godhead》を加える。《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》、《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》、そして《薬の走り手/Medicine Runner》と序盤にして彼のデッキ内容はなかなかのものだ。6手目にやってきた《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》も彼のデッキにかかせない。一方では《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》再度姿を見せ、《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》・《堕落/Corrupt》・《石の顎/Jaws of Stone》といったカードが幅を利かせるこの環境ではただのマナ・フィクサー以上の役割が期待できる。彼にとって唯一問題となったピックは11手目、6マナの《思考の糸の計略/Thoughtweft Gambit》を《屑鉄カゴ/Scrapbasket》4マナ3/2及第点のクリーチャーを流してピックしたところ。1パックを終えた様子をみたところ、卓内の多くはいくつか難しいピックを迫られたようだ。Zacの左2つ隣に座るPauloは青黒。Shapiroは現在ほほぼ青単色。Zacの右側はと言えば、Rasmussenの出だしは黒に傾倒しており、Vidugirisも青黒を狙っているようだ。この結果は2パック目を受けてどう変わっていくだろうか?
Zacの最初の2手がほぼ彼の方向性を決定づけた。《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》を既にピック済みということもあって、《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》は白が濃い彼のデッキではとても強力だ。その代わりに彼は《痕跡焼き/Burn Trail》と《刺す稲妻/Puncture Bolt》の2枚を流すことになり、もし卓に赤をドラフトしている魔法使いが潜んでいるならば、Zacが強力な《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》を取って流した、全体除去の《炎渦竜巻/Firespout》に更に驚くことになるだろう。アンコモンの《種かごの魔女/Seedcradle Witch》を3手目にピックしたことによって、白緑が大きく戸口を開けていることは明らかだ。Zacの4手目は《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》、終盤戦で大きな力となってくれるカードだ。しかしながらそれ以降のピックは実に心もとなく、それ以降の6ピックのうち最終的にデッキに入ったのは《屑鉄カゴ/Scrapbasket》のみ、その間に《大神のルーン/Runes of the Deus》を流した。それでも11手目に《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》が流れてきてハッピー、といったところだ。
最後のブースターを残し、Zacの回りに座るプレイヤーたちもほぼデッキが固まってきたようだ。Pauloは依然として青黒のピックを主張し、Zacの右側に座るRasmussenは彼の黒い軍団に添えるよううまく赤いカードをピックしている。Vidugirisも青黒を貫いており、そんな中ShapiroはZacとPauloに挟まれ、身動きの取れない犠牲者となってしまったようだ。一方で、テーブルの向こう側に鎮座するオランダの名手、Jelger Wiegersmaはそんなトラブルもどこ吹く風と言った様子で、おそらくは卓内最強と思しき白緑を完成させつつあるようだ。
Zacが2パック目の中盤以降失速した分は、この最終パックが十分に取り戻してくれた。彼が開けたパックからは3枚目の《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》現れ、続く2手目で彼は大きな決断を迫られる。後々の彼の説明によると、彼が2枚は手に入れておきたかった《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk》に比べて《大霊の盾/Shield of the Oversoul》は間違いなく優秀なカードであり、《盾》は緑系のデッキにおいて最高のパフォーマンスを発揮するものの、彼のピックは白寄りで緑のカードほとんどないため、ピックが最終パックがどうでるかに依存してしまう、とのことだった。彼は《身隠し》を取り、続いて構築でも大活躍の《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》、《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》とピック。彼のデッキ候補のカードの山にはさらにカードが溜まり、10手目で《今わの際/Last Breath》と《審問官の罠/Inquisitor’s Snare》の2択を迫られた時は笑顔をこらえることはできなかった。
デッキ構築の後僕がZacと話をすると、彼はこれからの3ラウンドについて明確なプランを持っていた。高いクリーチャーの質を生かして、序盤でダメージレースを先行し、3枚の《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》で勝負を決めに行く、というものだ。彼は全体的なドラフトのクオリティにおいては非常に高かったと評した上で、《炎渦竜巻/Firespout》を流したことが若干で不安であるも、《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》の前に選択肢は他になかったと語る。Zacは2-1を見据え、1-2はがっかり、3-0ならば言うことなし、と言った感じだ。2度のドラフトで5−1の成績を残すことが決勝に残る大前提条件、ぜひがっかりするような結果だけは避けてもらいたい。
by Rich Hagon
僕以外にこの世界で語ることが出来る人はもう数人いるんだけど、Zac Hillは毎回勝つ、だからHill氏がこの日の最初のドラフトで2番テーブルに座るとき、僕はすでにワクワクしてたんだ。彼の右隣にはBen Rasmussen、その向こうにはGaudenis Vidugirisが。彼の左手にはJeremy Shapiroが座って、2番テーブルのドラフトはウィスコンシン州はマディソン行われてるかのよう。そこにPaulo Vitor Damo da RosaとJelger Wiegersmaが海の向こうから最高のスタートを切るべく狙いを定めている。
《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》はみんなも知っている通り素晴らしいスタートだ、そこにZacは《神格の鋼/Steel of the Godhead》を加える。《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》、《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》、そして《薬の走り手/Medicine Runner》と序盤にして彼のデッキ内容はなかなかのものだ。6手目にやってきた《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》も彼のデッキにかかせない。一方では《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》再度姿を見せ、《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》・《堕落/Corrupt》・《石の顎/Jaws of Stone》といったカードが幅を利かせるこの環境ではただのマナ・フィクサー以上の役割が期待できる。彼にとって唯一問題となったピックは11手目、6マナの《思考の糸の計略/Thoughtweft Gambit》を《屑鉄カゴ/Scrapbasket》4マナ3/2及第点のクリーチャーを流してピックしたところ。1パックを終えた様子をみたところ、卓内の多くはいくつか難しいピックを迫られたようだ。Zacの左2つ隣に座るPauloは青黒。Shapiroは現在ほほぼ青単色。Zacの右側はと言えば、Rasmussenの出だしは黒に傾倒しており、Vidugirisも青黒を狙っているようだ。この結果は2パック目を受けてどう変わっていくだろうか?
Zacの最初の2手がほぼ彼の方向性を決定づけた。《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》を既にピック済みということもあって、《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》は白が濃い彼のデッキではとても強力だ。その代わりに彼は《痕跡焼き/Burn Trail》と《刺す稲妻/Puncture Bolt》の2枚を流すことになり、もし卓に赤をドラフトしている魔法使いが潜んでいるならば、Zacが強力な《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》を取って流した、全体除去の《炎渦竜巻/Firespout》に更に驚くことになるだろう。アンコモンの《種かごの魔女/Seedcradle Witch》を3手目にピックしたことによって、白緑が大きく戸口を開けていることは明らかだ。Zacの4手目は《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》、終盤戦で大きな力となってくれるカードだ。しかしながらそれ以降のピックは実に心もとなく、それ以降の6ピックのうち最終的にデッキに入ったのは《屑鉄カゴ/Scrapbasket》のみ、その間に《大神のルーン/Runes of the Deus》を流した。それでも11手目に《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》が流れてきてハッピー、といったところだ。
最後のブースターを残し、Zacの回りに座るプレイヤーたちもほぼデッキが固まってきたようだ。Pauloは依然として青黒のピックを主張し、Zacの右側に座るRasmussenは彼の黒い軍団に添えるよううまく赤いカードをピックしている。Vidugirisも青黒を貫いており、そんな中ShapiroはZacとPauloに挟まれ、身動きの取れない犠牲者となってしまったようだ。一方で、テーブルの向こう側に鎮座するオランダの名手、Jelger Wiegersmaはそんなトラブルもどこ吹く風と言った様子で、おそらくは卓内最強と思しき白緑を完成させつつあるようだ。
Zacが2パック目の中盤以降失速した分は、この最終パックが十分に取り戻してくれた。彼が開けたパックからは3枚目の《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》現れ、続く2手目で彼は大きな決断を迫られる。後々の彼の説明によると、彼が2枚は手に入れておきたかった《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk》に比べて《大霊の盾/Shield of the Oversoul》は間違いなく優秀なカードであり、《盾》は緑系のデッキにおいて最高のパフォーマンスを発揮するものの、彼のピックは白寄りで緑のカードほとんどないため、ピックが最終パックがどうでるかに依存してしまう、とのことだった。彼は《身隠し》を取り、続いて構築でも大活躍の《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》、《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》とピック。彼のデッキ候補のカードの山にはさらにカードが溜まり、10手目で《今わの際/Last Breath》と《審問官の罠/Inquisitor’s Snare》の2択を迫られた時は笑顔をこらえることはできなかった。
デッキ構築の後僕がZacと話をすると、彼はこれからの3ラウンドについて明確なプランを持っていた。高いクリーチャーの質を生かして、序盤でダメージレースを先行し、3枚の《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》で勝負を決めに行く、というものだ。彼は全体的なドラフトのクオリティにおいては非常に高かったと評した上で、《炎渦竜巻/Firespout》を流したことが若干で不安であるも、《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》の前に選択肢は他になかったと語る。Zacは2-1を見据え、1-2はがっかり、3-0ならば言うことなし、と言った感じだ。2度のドラフトで5−1の成績を残すことが決勝に残る大前提条件、ぜひがっかりするような結果だけは避けてもらいたい。
コメント