Feature Match Round 6 - Sam Black vs. Gabriel Nassif
by Brian David-Marshall
Sam Blackは、アメリカ代表チームの一員としてチーム戦での優勝を収めるという2008年の大ブレイク以来、彼が参加できるイベントには必ず参加し、世界を駆け回ることに忙しい。現在は彼は、バルセロナとシンガポールの2つのグランプリでのトップ8と、京都でのトップ32という成績の下に、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーレースにおいて5位という好位置につけている。それは、彼のテーブルの反対側に座る大抵のプレイヤーを震え上がらせるには十分すぎるほど、実に印象的な功績だと言える。もちろん、今彼の反対側に座っているはその"大抵のプレイヤー"などではない、Gabriel Nassifは・・・えっと・・・Gabriel Nassifだ。彼は9度に渡るプロツアーTOP8、2度のプロツアー戴冠、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーの受賞者でもありながら、かのマジック史上でも他に例を見ない歴史的トップデッキ、プロツアー京都での準々決勝において”トップデッキ予告”というパフォーマンスを見せ付けた張本人でもある。彼はジョン、カイ、に続くゲイブとして、マジック殿堂入りがすぐ目の前に見えている―翌年、彼のプロツアーキャリア10年目となる年に。
[Game 1]
『それは4枚の顔かい?』と尋ねるSam Black。Gabriel Nassifは彼の5枚のノーランドのハンドをキープしていいものかと悩んでいた。
『僕は前にトリプルマリガンから勝ったことがあるよ。』 と溜息をつきながら自身の手札をデッキに戻し、最終的に4枚のノーランドハンドをキープすることとしたNassif。
Sam Blackは、Gabのデッキが《樹上の村/Treetop Village》を供給する前に《苦花/Bitterblossom》を着地させる。Samは土地が2枚で止まってしまうが、それでもGabのプレイするカードを全て裁くのには十分な策を持っていた。《恐怖/Terror》が《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》を葬り、ようやく土地を引き始めたGabからの2枚の《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターする。Samはただただ彼の部族エンチャントの後ろの座り、特に何をするでもなくGabの息の根を止めた。
[Game 2]
Samが《思考囲い/Thoughtseize》をプレイすると、数枚の土地、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》、《カメレオンの巨像》が公開され、Samは2マナの《ヒル》を叩き落す。2ターン後にプレイされた《突撃隊》は《スプライト》によってカウンターされ、Samは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を送り出す。NassifはそのプレイズウォーカーがSamに1枚のカードを供給した後に《呪詛術士/Anathemancer》で撃ち落としてみせる。Nassifは《村》と《呪詛術士》で攻撃するが、《村》の前には《羽毛覆い/Plumeveil》が立ちはだかり、Nassifは《難問の鎮め屋/Vexing Shusher》を場に追加する。
Samも負けじと《変わり谷/Mutavault》で2ターンのダメージをお返し。Nassifは相手の場に鎮座する壁への対抗策を見つけることができず、《カメレオンの巨像》をなんとか場に送り出さねばならなかった。十分すぎるアンタップ状態の土地と、手札を抱えながらも、小うるさい《鎮め屋》の前にそれを止めることが出来ない。《カメレオンの巨像》が4点のダメージを与え、《ヒル》がフランス陣営にさらに加わる。何一つカウンター出来ずにいたSamは、《謎めいた命令/Cryptic Command》で《巨像》を一旦バウンスしながらライブラリーを掘り進めてみる。
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》がNassifの墓地から《突撃隊》の屍を掘り起こし、Nassifの大軍勢を少しでも押しとどめようとする。Nassifはアンタップし、《巨像》と《ヒル》をレッドゾーンに送る。Samは《羽毛覆い》で《ヒル》のみをブロックすることを選択し、Nassifは2点のライフを払うことでその交換を受け入れる、さらにNassifはブロックされなかった《巨像》4マナを払ってパンプする。Samは返す刀で《徒党》で空から3点のダメージを刻むのみでNassifに再びターンを返す。
Nassifは全軍で攻撃する。Blackは手札に抱えていた《スプライト》で《巨像》をブロックしながら、《谷》で《鎮め屋》を討ち取る。Nassifは《克服者》をもう1枚の《克服者》公開しながらプレイし、SamはそこにX=0の《砕けた野望/Broken Ambitions》をただ激突のために撃ってみせる。 『払ったよ』とNassifは言いながら《克服者》を場に送り出すと、Samは次のターンにはカードを片付けた。
[Game 3]
満足のいかない表情で1枚、2枚単位でカードを入れ替えながらNassifはサイドボーディングを修繕する。両プレイヤーは、1ゲーム目と2ゲーム目の間に、サイボーディングで3分を超過してしまったためにすでにワーニングを受けてしまっている。Samは 『ここでタダで1勝もらえたらいいのになぁ。君がサイドボードを始めた時間、メモを取っておけばよかったよ』と冗談を言ってみせる。
1回のマリガンを経て6枚になった手札をSamはキープする。SamはNassifの2ターン目の終了時に《スプライト》をプレイし、続くターンに《思考囲い》を撃つ。Nassifの手札を一瞥して《巨像》を取り除く。その代わりにNassifの手札には《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf)》が残され、Nassifはそれをプレイ、続唱からは《ヒル》がめくれる。Samは《ヒル》をカウンターしながら3点のダメージを受け、さらに《くぐつ師の徒党》で《巨像》を奪い取る。
Nassifは赤緑の《エルフ》でアタックしながら《途方もない力/Colossal Might》でダメージを上乗せ、続いて《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》―彼が最後までサイドボードで悩んでいたカードだ―を場に送り出す。Samは《スプライト》のみで攻撃を返し、黒い《徒党》はブロックに回す構え。Nassifが《真髄の針/Pithing Needle》をプレイするとSamはレスポンスで《谷》をクリーチャー化、Nassifはその《谷》をしてこのターンは攻撃せずに終える。1ターン後のNassifからの《囲い》は《瞬間凍結/Flashfreeze》と《砕けた野望/Broken Ambitions》を公開し、Nassifは後者をSamの手札に残す。Nassifは一瞬思考を巡らせた後で、《村》をクリーチャー化し、勝利を掴み取った。
『あそこで僕が何も持ってないってことがバレてほしくなかったんだよね』 とSamは溜息をつく。
『最初は君が場で死んでることに気が付かなかったよ』とNassif。
両プレイヤーがマッチの後の片付けと結果処理を行っていると、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》にNassifのサインを貰おうと待っていた1人のプレイヤーが飛び出してきた。
このテーブルの担当だったジャッジは両者がリザルト・エントリー・スリップを記入し終えるまで待つように言うと続けて、 『俺が最初にサインしてもらうんだよ』、と。
Final Result : Gabriel Nassif 2 - Sam Black 1
by Brian David-Marshall
Sam Blackは、アメリカ代表チームの一員としてチーム戦での優勝を収めるという2008年の大ブレイク以来、彼が参加できるイベントには必ず参加し、世界を駆け回ることに忙しい。現在は彼は、バルセロナとシンガポールの2つのグランプリでのトップ8と、京都でのトップ32という成績の下に、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーレースにおいて5位という好位置につけている。それは、彼のテーブルの反対側に座る大抵のプレイヤーを震え上がらせるには十分すぎるほど、実に印象的な功績だと言える。もちろん、今彼の反対側に座っているはその"大抵のプレイヤー"などではない、Gabriel Nassifは・・・えっと・・・Gabriel Nassifだ。彼は9度に渡るプロツアーTOP8、2度のプロツアー戴冠、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーの受賞者でもありながら、かのマジック史上でも他に例を見ない歴史的トップデッキ、プロツアー京都での準々決勝において”トップデッキ予告”というパフォーマンスを見せ付けた張本人でもある。彼はジョン、カイ、に続くゲイブとして、マジック殿堂入りがすぐ目の前に見えている―翌年、彼のプロツアーキャリア10年目となる年に。
[Game 1]
『それは4枚の顔かい?』と尋ねるSam Black。Gabriel Nassifは彼の5枚のノーランドのハンドをキープしていいものかと悩んでいた。
『僕は前にトリプルマリガンから勝ったことがあるよ。』 と溜息をつきながら自身の手札をデッキに戻し、最終的に4枚のノーランドハンドをキープすることとしたNassif。
Sam Blackは、Gabのデッキが《樹上の村/Treetop Village》を供給する前に《苦花/Bitterblossom》を着地させる。Samは土地が2枚で止まってしまうが、それでもGabのプレイするカードを全て裁くのには十分な策を持っていた。《恐怖/Terror》が《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》を葬り、ようやく土地を引き始めたGabからの2枚の《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》でカウンターする。Samはただただ彼の部族エンチャントの後ろの座り、特に何をするでもなくGabの息の根を止めた。
[Game 2]
Samが《思考囲い/Thoughtseize》をプレイすると、数枚の土地、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》、《カメレオンの巨像》が公開され、Samは2マナの《ヒル》を叩き落す。2ターン後にプレイされた《突撃隊》は《スプライト》によってカウンターされ、Samは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を送り出す。NassifはそのプレイズウォーカーがSamに1枚のカードを供給した後に《呪詛術士/Anathemancer》で撃ち落としてみせる。Nassifは《村》と《呪詛術士》で攻撃するが、《村》の前には《羽毛覆い/Plumeveil》が立ちはだかり、Nassifは《難問の鎮め屋/Vexing Shusher》を場に追加する。
Samも負けじと《変わり谷/Mutavault》で2ターンのダメージをお返し。Nassifは相手の場に鎮座する壁への対抗策を見つけることができず、《カメレオンの巨像》をなんとか場に送り出さねばならなかった。十分すぎるアンタップ状態の土地と、手札を抱えながらも、小うるさい《鎮め屋》の前にそれを止めることが出来ない。《カメレオンの巨像》が4点のダメージを与え、《ヒル》がフランス陣営にさらに加わる。何一つカウンター出来ずにいたSamは、《謎めいた命令/Cryptic Command》で《巨像》を一旦バウンスしながらライブラリーを掘り進めてみる。
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》がNassifの墓地から《突撃隊》の屍を掘り起こし、Nassifの大軍勢を少しでも押しとどめようとする。Nassifはアンタップし、《巨像》と《ヒル》をレッドゾーンに送る。Samは《羽毛覆い》で《ヒル》のみをブロックすることを選択し、Nassifは2点のライフを払うことでその交換を受け入れる、さらにNassifはブロックされなかった《巨像》4マナを払ってパンプする。Samは返す刀で《徒党》で空から3点のダメージを刻むのみでNassifに再びターンを返す。
Nassifは全軍で攻撃する。Blackは手札に抱えていた《スプライト》で《巨像》をブロックしながら、《谷》で《鎮め屋》を討ち取る。Nassifは《克服者》をもう1枚の《克服者》公開しながらプレイし、SamはそこにX=0の《砕けた野望/Broken Ambitions》をただ激突のために撃ってみせる。 『払ったよ』とNassifは言いながら《克服者》を場に送り出すと、Samは次のターンにはカードを片付けた。
[Game 3]
満足のいかない表情で1枚、2枚単位でカードを入れ替えながらNassifはサイドボーディングを修繕する。両プレイヤーは、1ゲーム目と2ゲーム目の間に、サイボーディングで3分を超過してしまったためにすでにワーニングを受けてしまっている。Samは 『ここでタダで1勝もらえたらいいのになぁ。君がサイドボードを始めた時間、メモを取っておけばよかったよ』と冗談を言ってみせる。
1回のマリガンを経て6枚になった手札をSamはキープする。SamはNassifの2ターン目の終了時に《スプライト》をプレイし、続くターンに《思考囲い》を撃つ。Nassifの手札を一瞥して《巨像》を取り除く。その代わりにNassifの手札には《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf)》が残され、Nassifはそれをプレイ、続唱からは《ヒル》がめくれる。Samは《ヒル》をカウンターしながら3点のダメージを受け、さらに《くぐつ師の徒党》で《巨像》を奪い取る。
Nassifは赤緑の《エルフ》でアタックしながら《途方もない力/Colossal Might》でダメージを上乗せ、続いて《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》―彼が最後までサイドボードで悩んでいたカードだ―を場に送り出す。Samは《スプライト》のみで攻撃を返し、黒い《徒党》はブロックに回す構え。Nassifが《真髄の針/Pithing Needle》をプレイするとSamはレスポンスで《谷》をクリーチャー化、Nassifはその《谷》をしてこのターンは攻撃せずに終える。1ターン後のNassifからの《囲い》は《瞬間凍結/Flashfreeze》と《砕けた野望/Broken Ambitions》を公開し、Nassifは後者をSamの手札に残す。Nassifは一瞬思考を巡らせた後で、《村》をクリーチャー化し、勝利を掴み取った。
『あそこで僕が何も持ってないってことがバレてほしくなかったんだよね』 とSamは溜息をつく。
『最初は君が場で死んでることに気が付かなかったよ』とNassif。
両プレイヤーがマッチの後の片付けと結果処理を行っていると、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》にNassifのサインを貰おうと待っていた1人のプレイヤーが飛び出してきた。
このテーブルの担当だったジャッジは両者がリザルト・エントリー・スリップを記入し終えるまで待つように言うと続けて、 『俺が最初にサインしてもらうんだよ』、と。
Final Result : Gabriel Nassif 2 - Sam Black 1
コメント
かっこいい!大変しびれましたw
こういう翻訳記事はすごく面白いのでこれからも機会があれば是非お願いします。
ありがとうございました!