《僕らのアメリカ(*1) 対 世界》
by Rich Hagon

昨日僕が、Tim Willoughbyが最も獰猛な北アメリカ人たちを選んでる間に、世界の10人の精鋭を選び抜いたわけなんだけど、正直言ってこいつはもらった、と思ったね。初日を終えて、僕の理想よりはちょっとばかり互角の勝負にはなってるけどね。僕の恐ろしい十傑は今や繊細な四天王となってしまったけれども、少なくともその内の3人は8勝1敗で十分にトップを狙える位置につけている。斉藤友晴はわずか1敗という成績で初日を潜り抜け、Paulo Vitor Damo da Rosa と Jelger Wiegersmaは現在2番テーブルのドラフトで熱い火花を散らしている。Remi Fortierは惜しくも最終ラウンドで、彼より4000年も先輩のBen Seckに負けてしまったから、トップ8を狙うには今日の2日目で素晴らしいスタートを切る必要がある。

さて、今僕は4対124まで追い詰められてしまったけれど、僕の確立は数字上の31分の1よりもいいと思っている。はるかにいいと思うよ。昨日も言ったとおり、勝者はこの4人の中から生まれるんだ:

Remi Fortier
Paulo Vitor Damo da Rosa
斉藤 友晴
Jelger Wiegersma

一応、Willoughby氏のために、彼の頼りにならない北アメリカチームの雲行きも難しいところだ。彼のチームのうちただ一人、Chris Lachmanのみが8勝1敗のラインに踏みとどまっている。サンディエゴ勝者のJacob van Lunenは日曜への切符は失ったものの、昨日は大健闘だった。Tim Aten、Mark Herberholz、Gabe Wallsの3人をなんとか最低ラインである7勝2敗をクリアして2日目に望んでいる。
きっと僕の言うとおりになるぜ ー なんてったってこの記事は僕が書いてるわけだし ー ギリギリのところでね。(*2)

Chris Lachman
Mark Herberholz
Tim Aten
Gabe Walls

あぁ、僕はまだこちらに分があると思うね、でも、かなりいい勝負になってる。









(*) -訳注

1, 単純にアメリカとしなかったのは、原題が"US"ではなく"Us"というところから、"アメリカ(U.S.)"に"僕達の(us)"をかけていると思ったからです。

2, かなり訳が怪しい。ちょっと無理やりチックです。というかこの記事全体的にちと難しかった。
Round 10 《インディアナポリス育ち》 - Eric Franklin vs. Cody Damm
by David Strutz

グランプリの初日を全勝で飾る、というのはなかなかどうして難しいものだーましてや、それが北アメリカにおける過去最大のものであるなら。ここに座る両名は見事それをやってのけた、なら少しばかりぞくぞくするようなマジックを覚悟した方がいいだろう。

Eric Flanklinは、"Team Smashface"のメンバーで、生粋のインディアナポリス生まれ、インディアナポリス育ちだ。彼は故郷の地を、テネシー州はルイスヴィルからやって来たCody Dammから守る戦いに挑む。

Codyがダイスロールに勝ち、先行を選ぶ。お互いに初手をキープし、Codyは2枚の《島/Island》から《首吊り罠/Trip Noose》へとつなぐ。一方のEricは《山/Mountain》、《沼/Swamp》と並べて2ターン目に《煤の焚きつけ屋/Sootstoke Kindler》。インディアナポリス生まれのための最初の血が流れた!

Codyの3ターン目は《安寧砦の歩哨/Safehold Sentry》、続く4ターン目には《薬の走り手/Medicine Runner》を加えて、2点の攻撃を加えてEricのライフは18に。Ericの4ターン目は《曲がりくねりのロシーン/Rosheen Meanderer》("君まで流れたの!?それ開けたの俺だよ!"と、Codyは信じられないといった様子で話す。)。有能な4/4クリーチャーがゲームの主導権を得ようと脅かす。

お互いに土地と小さなクリーチャー達を並べていき、《平地/Plains》Codyの5枚の《島/Island》に加わると、《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》が盤面に追加される。Ericは《墨深みの浸透者/Inkfathom Infiltrator》を送り出す。

お互いに数回殴りあった後に、Codyは彼の《罠》をもって《ロシーン》を彼の軍勢の道から排除することを決める。続くターンでEricは《ロシーン》で攻撃してCodyのライフを15とし、Codyの小粒な軍団がEricのライフを10へと落とす。Ericの《浸透者》が再度攻撃し、Codyのライフは13、そしてEricは5枚の沼と1枚の山をタップして、盤面を掌握し得る《真夜中のバンシー/Midnight Banshee》をプレイ。

《バンシー》は《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》が十分な仕事をする前に葬り、Codyの《首吊り罠/Trip Noose》は《バンシー》を新たなターゲットとする。それでもまだダメージレースが可能と考えたCodyは《薬の走り手/Medicine Runner》と《安寧砦の歩哨/Safehold Sentry》で攻撃し、Ericの《煤の焚きつけ屋/Sootstoke Kindler》が2/1のクリーチャーと交換となる。これでCodyのライフは8だ。

次ターンでEricは《割れるような頭痛/Splitting Headache》をプレイして、Codyの手札に残されたわずか2枚のカードを捨てるように強要し、全軍で突撃。手札のカードも付き、テーブルの向こう側に並ぶ巨大な怪物たちを前にCodyにできることはこれ以上なく、投了を宣言する。

Eric Franklin 1 - 0 Cody Damm

"ない。俺のサイドボードには《剣を鍬に/Swords to Plowshares》はないんだよ。"と、Codyは残念そうに言う。

両プレイヤーが7枚のカードをドローし、共にキープする。先行のCodyが《平地/Plains》を置いてターンを返す。Ericの2ターン目の《墨深みの浸透者/Inkfathom Infiltrator》はCodyの3T目の《安寧砦の歩哨/Safehold Sentry》に遭うーが、レッドゾーンで、ではない。Ericは《浸透者》で攻撃し、3ターン目には《スズメバチの槍兵/Wasp Lancer》を追加し、《歩哨》の攻撃は甘んじて受ける。お互いのライフが18となり、Codyは《キンザーの銛打ち/Kinscaer Harpoonist》を場に送り出す。

第4ターンにはEricは《恐君主の兜/Helm of the Ghastlord》を《浸透者》にプレイし、更なる脅威をもたらす。彼はカード・アドバンテージ・マシーンと《槍兵》で攻撃し、Codyのライフは11に。幸運にもCodyは続くターンに《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》をプレイすることができた、が、驚くことにEric第5ターンにして《憂鬱の槍/Gloomlance》で《フェアリー》を打ち落としてみせる。Ericは再び攻撃するが、《浸透者》はここではEricの最後の手札である《審問官の罠/Inquisitor’s Snare》にかけられる。対するEricはまだ4枚の手札を抱えている。ただ、少なくともCodyのクリーチャー達は少しでもライフ・トータルで食らいつこうと、ダメージレースを果敢に挑み、現在11−10だ。

《スズメバチの槍兵/Wasp Lancer》が攻め続け、Codyが5枚目の土地を置き手札を空にするのを尻目に、Ericは《曲がりくねりのロシーン/Rosheen Meanderer》と《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》を戦線に加える。Codyは《銛打ち》で攻撃し、Ericのライフは8。CodyがEricの猛攻を抑えるには手札に何かがなければならないが・・・

Ericの手札には《割れるような頭痛/Splitting Headache》があった。対応して、Codyは《霧への変化/Turn to Mist》で《ロシーン》を一旦ゲーム外へと追いやってみるものの、それは十分ではなく。続くターン、Codyは手を差し述べた。

Eric Franklin wins 2 - 0 !
Round 9 《新旧対決》- ’The’ Ben Seck vs. Remi Fortier
by Rich Hagon

前回のグランプリ・バーミンガムに続いて、フランスのRemi Fortierは7勝1敗のラインで、その若きプロツアー・チャンプが、なんと、およそ6歳の頃に、プロマジック界に丁度名を連ねていたオーストラリア人と合い間見えることとなる。
ここでの勝者は2日目進出をほぼ確実なものとし、敗者は多くのタイブレーカー達と争うことになる。

Seckがダイスロールに勝ち、後攻を選択。Fortierは序盤を《ぼろ布食いの魔女/Tattermunge Witch》と《首吊り罠/Trip Noose》から盤面を構築する一方で、Seckは《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk》、《小走り犬/Scuttlemutt》という立ち上がりから、《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイし、熱列な観客の一人から寄付された"健志トークン(*1)"を並べてみせる。

《汚れ背の匪賊/Scuzzback Marauders》がフランス人の戦線に加わり、Seckは盤面の優位を確かのものにするべく《ヒル結び/Leech Bonder》を追加しながら空中から攻め立てる。Remiは返しのターンでSeckのライフを12とし、《魅了縛りのカカシ/Lurebound Scarecrow》を追加する。《ヒル結び/Leech Bonder》がその能力でオーストラリア人にゲームの優位をもたらし、さらなるフライヤーとしてパンプアップ可能な《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》が追加されるとFortierを投了に追い込んだ。

Seck 1 - 0 Fortier

観客からの質問に、Fortierがブロック構築のメタゲームを、だいたい3つの文章でこう説明した;”エレメンタルが一番だけど、とても難解なデッキだ。もしもっと安定したデッキを使いたいならキスキンかフェアリー。んで、キスキンもフェアリーも好みじゃないなら、10コマンドを使いな。”はい、レッスン終了。

Fortierは第2ゲームを《薬の走り手/Medicine Runner》と《小走り犬/Scuttlemutt》で始め、Seckは《安寧砦の歩哨/Safehold Sentry》と及第点のフライヤーである《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》で口火を切る。《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》がFortierの勝機を加速するが、Seckは構わず毎ターン殴り続ける。Seckは《鎖の呪い/Curse of Chains》を《小走り犬/Scuttlemutt》に絡ませ、《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk》を追加する。《たなびく緑青/Viridescent Wisps》がFortierに更なるカードをもたらすものの、彼の反応は受難の色を示している。

続くターン、Fortierは真のトラブルに直面する。《増え続ける荒廃/Incremental Blight》が彼の盤面を一層してしまったのだ。それでも、《鬱後家蜘蛛の饗宴/Gloomwidow’s Feast》で精一杯の止血を試みる。《汚れ背の匪賊/Scuzzback Marauders》がようやっと場の均衡を取り戻すかと思えば、Seckは《拷問/Torture》を起動するのに十分なマナを残しながらキャストし、《匪賊》をすぐさま墓地送りに。対処しきれない追加の5点ダメージがFortierのライフを3へと落とす。《燃えさしの突風/Ember Gale》がこの追い詰められた状況に風穴を開けようと試みるが、《畏敬の神格/Godhead of Awe》、《黄昏の番人/Twilight Shepherd》、2枚の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》を擁するSeckのデッキは、いやSeck自身がもはや"化け物"以外の何者でもなかった。

Ben Seck 2 - 0 Remi Fortier



(*) -訳注

1, コガモくんは世界中みんなの人気者。・・・って、訳注でもなんでもないっすね、失礼しました。
《Undefeated Decklists Heading in to Round 9》
by Tim Willoughby

さぁ、僕には初日全勝者が出揃うまで待つか、1ラウンド早くお届けするっていう選択肢があったわけなんだけれども、シャドウムーアのシールドでより良いデッキを作りたいと思っている君のために、少しでも多い参考を与えることにした。より多くのデッキリストを打ち込むことを選んだ僕を、"マゾヒスト"と呼びたければ構わず読んでくれ。けど、情報は少しでもいいと思うんだ。じゃあ、いくよ。



http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpind08/blog1#17






* -字数の関係でデッキリストは省略しました。リンクの方から、どうぞ。
Round 8《"デカい"勝負》- Sam Stoddard vs. Gabe Walls
by Tim Willoughby

"これって、もしかしてミラー・マッチってやつ?"

"パイ食い競争で勝負つけるのはどうだい?"

Gabe Wallsは、ここインディアナポリスの英雄だ、彼はここまでをわずか1敗という成績でまとめ、ここまでの成績になかなか満足している様子のSam Stoddardにこの第8ラウンドで相対する準備は抜かりない。

Gabeは1度のマリガンにも関わらず、このゲームのファースト・アクションを取る展開、後攻での《未熟な鬱後家蜘蛛/Juvenile Gloomwidow》を送り出す。これはすぐさまStoddardの《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》に遭う。この"グリーン・ゴブリン(*1)"は、萎縮との相性がすこぶる悪いのだが、それでもStoddardは彼を出す展開には満足そうだ。

Gabeの場に《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》が現れ、Samは引いたばかりの《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》を送り出すまえに、《たなびく純白/Niveous Wisps》を唱えてGabeの《蜘蛛》1ターンの間封じ込める。しかし、Samの《フェアリー》に対してはすぐさま《今わの際/Last Breath》が飛んでくる。

続くターンにSamは《レイヴンの地の竜騎兵/Raven’s Run Dragoon》を戦線に加え、さらに切り札とも言える《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》を切る。Sameが3/3クリーチャーでアタックしてみると、Gabeの複数体によるブロックと、《審問官の罠/Inquisitor’s Snare》によって討ち取られることとなる。《鎖の呪い/Curse of Chains》がGabeの《蜘蛛》を無用の長物にしようとするも、《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》がインディアナポリスの英雄の攻撃を止ませはしない。彼の手札からは更に、息もつかせぬプレッシャーを与えるべく《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》までもが送り込まれる。

Samのドローは余り芳しいものではなかった。彼のライフは17、Gabeは12とリードこそしているものの、この時点で彼の場には、Wallsの素晴らしい戦線に対して、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》のみだ。《ゴンドの存在/Presence of Gond》が《種かごの魔女/Seedcradle Witch》へと付けられ、事態は上向きになるかと思われたが、Gabeに追いつくにはまだまだ及ばない。トークンを量産しつつ、《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》が手に大きさに成長するにも関わらず、だ。Gabeの攻撃でSamのライフは5となり、多くのマナを立てたままターンを返す。

Samは《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》で攻撃し、《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》によって、どう正しいブロックをされてもGabeのライフを削りきるに十分なダメージをたたき出すことがでるようだ。

ただ、Gabeには1枚の手札が残されていた。

彼自身の《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》は、彼が続くターン、Samの膝を地に着かせるためのアタックをするまで生き延びるのに、十分だった。

"いい勝負だった・・・確かに君は酷いマナ・フラッドを起こしてはいたけれども。こりゃあ、これから先の試合もきっと悪いもんじゃないな。"

Sam Stoddard 0 - 1 Gabe Walls

第2ゲーム、後攻のGabeは1つマリガン。それでも、2ターン目には《未熟な鬱後家蜘蛛/Juvenile Gloomwidow》を展開し、Samがの土地が2枚で止まり、ディスカードを行う間にちょっとしたダメージを稼ぐ。Samが3枚目の土地に到達する間にGabeは5マナを用意するが、Samがプレイした《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》に対して難しい顔。Gabeは《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》へと《大霊の盾/Shield of the Oversoul》を付け、1度攻撃を通すと《夢への委託/Consign to Dream》により手札に帰還することになる。

《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》は《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》によって5/6となり、さらに大きな問題となる。《食いつくいましめ/Biting Tether》が《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》奪うと、突如としてGabeは窮地に立たされた。だが、まだその巨漢は終ってはいない。《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》と《傷跡/Scar》によって《蜘蛛》でSamの《しもべ》を討ち取り、後続に《薄暮の大霊/Oversoul of Dusk》を追加する。まだまだ。

Samは2枚目の《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》と《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》を送り出すも、Gabeは《魅了縛りのカカシ/Lurebound Scarecrow》で応戦し、《今わの際/Last Breath》を《フェアリー》に打ち込む。Samは満を持しての《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》。

"満足かい?ん?"とはGabe。

Samはまだターンを終えてはおらず、《大霊の盾/Shield of the Oversoul》を1体の《騎兵》へと付ける。

ここで、Gabeの携帯電話が鳴る。

"Cedric Philips?"と電話を取る。

"あぁ、元気でやってるよ。今Sam Stoddard相手にフィーチャーマッチやってるんだ。"

ここで彼はSamに電話を渡す。

"あぁ、Samだよ。俺達今試合中なんだ。"

Gabeはしばらく盤面を観察するのに時間を使い、Samが電話を切るとカードを片付け、第3ゲームの準備を始めた。

Sam Stoddard 1 - 1 Gabe Walls

この第3ゲームも、Gabe再びのマリガンを選択する。なかなか理想どおりとはいかないものだ。Samの白単色の展開に対してGabeは緑単色の展開。Samの最初のクリーチャーは《聖蜜の巫女/Oracle of Nectars》、対するGabeは《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》だ。これはちょっとややこしいダメージレースになりそうだ。

《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》は、Gabeが《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》をプレイする合い間に更なるやっかいとして降り注ぎ、GabeはSamの軍勢にひっきりになしに殴られ、《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》への《鎖の呪い/Curse of Chains》も対して状況を変えはしない。《大霊の盾/Shield of the Oversoul》はこのゲームにおいて"容赦ない"ってのがどういうものか分からせるのには十分すぎた。

Samは少し見回して、たった今2敗目をあげたGabeに慰めの言葉をかける。

"チキン食べたくないか?俺、買いにいくんだけど"

"あぁ、そりゃいいな!よし、行こう!"

Sam Stoddard 2 - 1 Gabe Walls






(*) -訳注

1, 筆者が意識したかどうかは、分かりませんが、ここで《飢えたスプリガン/Hungry Spriggan》は"Green Goblin"と表されていて、アメリカン・コミックの『スパイダーマン』に登場する敵で”グリーン・ゴブリン”ってのがいるので、せっかくなのでそれっぽく訳してみました。
《昨日の敵は、明日の友(*1)》 -Gerry Thimpson vs. Brandon Scheel
by Rich Hagon

この記事を書いている今現在、Gerry Thompsonはインディアナポリス在住だ。月曜日には、彼はアイオワ州へと引越しすることになっているーBrandon Scheelと共に住むのだ。二人とも口を揃えて"えぇ、なんの皮肉だよ"、と。両プレイヤーともにここまでを、5-1の成績でまとめており、ここでの敗者は明日への切符を失い、勝者は明日の2日目で更なる勝利の展望を望むことができるのだ。

後手のScheelが最初のクリーチャーとなる、頑強持ちの《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》から《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》へとつなげ、対戦相手であるThompsonは《小走り犬/Scuttlemutt》のマナブーストから、《砂利エラの斧鮫/Gravelgill Axeshark》を展開する。Scheelは《斧鮫》の頑強を止めるべくコンバット・トリックに《傷跡/Scar》使い、1/3のフェアリーで殴りかかる。Thompsonが《小走り犬/Scuttlemutt》で2点のダメージを刻もうとすると、Scheelの《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》が果敢にブロックする。Thompsonが《フェアリー》を打ち落とすためのコンバットトリックを持ち合わせていなかったばかりか、逆にScheelが2枚目の《傷跡/Scar》によって《小走り犬/Scuttlemutt》さえも討ち取ってしまう。お世辞にも素晴らしいトリックとだとは言えないとは思うが。《憂鬱の槍/Gloomlance》ようやっと忌まわしいタッパー/アンタッパーを葬り去る。

ゲームは消耗戦となり、14枚ものカードが墓地を埋め尽くす。そんな中、Scheelの様々なトリックの合い間を縫ってThompsonが主導権を握り始め、Scheelが《小走り犬/Scuttlemutt》と《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》を《バレントンの衛生兵/Barrenton Medic》の隣に並べたところで場はわずかに均衡を取り戻す。それでも、Scheelは更なる均衡を求められる、彼のライフは残りわずか5に対して、Thompsonは14ものライフを残し、ひるむことなくプレッシャーをかけつづけScheelのライフを1へと落とす。何が出来るのか、選択肢を模索しながらScheelはターンを返し、《たなびく純白/Niveous Wisps》によって更なるターンを生き延びる。が、しかし彼が稼いだ最後の時間だった。Thompsonが反撃を許さず、勝利をもぎ取った。

Thompson 1 - 0 Scheel

Scheelは負けることの許されない第2ゲームを前にいくつかのカードサイドボードから加え、ゲームの前にはThompsonが彼が6枚にマリガンするお手伝い。Thompsonが送り出した《悪意炎の魔女/Spiteflame Witch》は早々に《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》に遭いながらも、彼は《小走り犬/Scuttlemutt》のマナブーストから《節くれの彫像/Gnarled Effigy》へと繋げる。《聖蜜の巫女/Oracle of Nectars》がScheelの場に現れ、すぐさまに、《悪意炎の魔女/Spiteflame Witch》との交換となる。《引き霊気/AEthertow》が《鬱後家蜘蛛/Gloomwidow》をバウンスするが、Thompsonは《魔力変/Manamorphose》を使いライブラリートップから引き戻し、再度場に送り出す。

2人の友人はとんでもない速さでゲームを進めた。ライフトータルは13対12でわずかにThompsonがリードしている。《鎖の呪い/Curse of Chains》が《鬱後家蜘蛛/Gloomwidow》を封じ、《傷跡/Scar》によって《小走り犬/Scuttlemutt》わずか1/1のクリーチャーとなってしまう。計9マナを擁するScheelはわずか6のライフに当たって、ただ、ただひたすらにドロー・ゴーを繰り替えす。ようやく3枚目の黒マナが姿を現し、Scheelはようやく強力な《真夜中のバンシー/Midnight Banshee》を呼び出すことに成功する。

しかしながら、ほどなくして《バンシー》は《憂鬱の槍/Gloomlance》によって葬り去られ、Thompsonが勝利の攻撃へと軍勢を送り出した。

いや、正確に言えば、彼はそうすることが"できた"んだ、もし彼が彼の最良の友達であり、月曜日からのルームメイトに投了することを、選んでいなければ。

非公式: Gerry Thompson 2 - 0 Brandon Scheel
公式: Gerry Thompson 1 - 2 Brandon Scheel





(*) -訳注

1, 完全に原文タイトル無視ですが、ニュアンス的にはこういうことだし、そのままの訳だとめちゃくちゃ語呂が悪く、日本語ならこの表現が意味的にも語呂的にもしっくりきたので、こういう訳にしました。
《"プール"に映す》
by Rich Hagon

本当に恥ずかしい話だけど、僕は君達にここGPインディアナポリスの会場で最もやりがいのある、難解なデッキ構築パズルをお届けしようと思っていたんだが・・・1121人全てのシールド・カードプールの調査に失敗してしまった。それでも、最初に目を通した476個のカードプールの中から、この美しく躍動感に溢れる、僕の注意を引いて止まなかったカードプールを紹介しよう。そして、もう君のものだ。

《偶像の石塚/Graven Cairns》
《樹液染みの森/Sapseep Forest》

《猛火茨のカカシ/Blazethorn Scarecrow》
《荒廃の鎌/Blight Sickle》
《魅了縛りのカカシ/Lurebound Scarecrow》
《ピリ=パラ/Pili-Pala》
《鳴らし猛火のカカシ/Rattleblaze Scarecrow》
《小走り犬/Scuttlemutt》
《茨見張りのカカシ/Thornwatch Scarecrow》

《薬剤師の信徒/Apothecary Initiate》2
《加護の反射/Boon Reflection》
《今わの際/Last Breath》
《鉱山の採掘/Mine Excavation》
《ミストメドウの身隠し/Mistmeadow Skulk》
《たなびく純白/Niveous Wisps》
《安寧砦の歩哨/Safehold Sentry》

《妖精からの助言/Advice from the Fae》
《呪い捕らえ/Cursecatcher》
《溺れさせる者の信徒/Drowner Initiate》
《キンザーの銛打ち/Kinscaer Harpoonist》
《ヒル結び/Leech Bonder》
《メロウの波破り/Merrow Wavebreakers》
《呪文の吸い上げ/Spell Syphon》
《気紛れ歩き/Whimwader》

《たなびく暗闇/Aphotic Wisps》
《燃えがら骨/Cinderbones》
《燃えがらもやの卑劣漢/Cinderhaze Wretch》
《増え続ける荒廃/Incremental Blight》
《湖のコリガン/Loch Korrigan》
《鎌の切り裂き魔/Sickle Ripper》

《流血の熱病/Bloodshed Fever》
《痕跡焼き/Burn Trail》
《たなびく真紅/Crimson Wisps》
《燃えさしの突風/Ember Gale》
《泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort》
《火の突撃者/Pyre Charger》
《錆び剃刀の解体者/Rustrazor Butcher》2
《大振り/Wild Swing》

《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》
《献身のドルイド/Devoted Druid》
《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》2
《栄華の防衛/Flourishing Defenses》
《狐火の樫/Foxfire Oak》
《高名への苦役/Toil to Renown》

《引き霊気/AEthertow》
《鎖の呪い/Curse of Chains》
《鏡編み/Mirrorweave》2
《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》
《侵入の追い返し/Repel Intruders》
《睡魔術師/Somnomancer》2
《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》

《命運の転送/Fate Transfer》
《砂利エラの斧鮫/Gravelgill Axeshark》
《遅鈍の塵/Torpor Dust》
《ワンダーブラインの根切り/Wanderbrine Rootcutters》

《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》
《邪教印の燃えがら/Cultbrand Cinder》
《亜神の拳/Fists of the Demigod》
《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》
《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
《井戸に毒/Poison the Well》
《煤の焚きつけ屋/Sootstoke Kindler》
《煤歩き/Sootwalkers》

《化石の発見/Fossil Find》
《土引きずりの巨人/Loamdragger Giant》
《魔力変/Manamorphose》
《ぼろ布食いの魔女/Tattermunge Witch》

《大霊の盾/Shield of the Oversoul》
《萎れ葉の騎兵/Wilt-Leaf Cavaliers》

さぁ、ぜひとも挑戦してみてくれ!75枚のカードを完璧な組み合わせにするんだ、それから、もし本番さながらに練習したいなら、構築時間は30分だ。
このカードプールを見事獲得した大変幸運なプレイヤーについてだけど、彼と、彼なりの解答についてはまた後ほど。僕はみんな是非ともやってみるべきだと思うよ、では、健闘を祈る!
Round 6 《爆弾投下》 - Jelger Wiegersma vs. Zac Hill
by Tim Willoughby

Zacがダイスロールに勝って、後攻を選ぶ。対するJelgerはため息をついて頭を振る。

"オランダが負けた・・・"

さて、Jelgerはフットボールの押収選手権の大ファンだ、彼の応援するチームは以前は絶好調だった。2人の欧州人がフットボール(サッカーじゃないよ)について話し始めると、考える前に、そうだな、Wiegersmaが何かトラブルにでも遭うように、Zacは願掛けしておいたんだ。

Jelgerのデッキは除去満載で、このグランプリで絶好の位置につけていると言っても過言ではない。彼のデッキは言ってみれば、Rogier Maatenスペシャル、と言ったところで、少数のクリーチャー陣と多数の超強力なスペルで構成されている。Zacのデッキも同じような構成をとっているんだけど、カードプールでほんの少し劣っているようだ。

第1ゲームの立ち上がりは少し異様なもので、お互いが4ターンにも渡って土地を置くのみでドロー・ゴーを繰り返す展開。お互いに赤黒デッキで、Zacが《燃えがらもやの卑劣漢/Cinderhaze Wretch》を出す傍らで、Jelgerの最初のクリーチャーは《砂利エラの二人組/Gravelgill Duo》だ。《卑劣漢》はすぐさま《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》によって打ち落とされるが、Zacも手札の《刺す稲妻/Puncture Bolt》でこれを処理するが、《砂利エラの二人組/Gravelgill Duo》の攻撃を受け続ける。もっとも、除去スペル無くして恩恵の全く無い状態で、なんだけれでも。

Zacの場に《煤歩き/Sootwalkers》が追加され、アメリカ人はこのクリーチャーが場に居座り続けられることを祈る。Wiegersmaはこれを喜んで受け入れ、ほぼ除去することは不可能な《復讐の亜神/Demigod of Revenge》を走らせる。JelgerはZacの11へと落とし、さらに次のターンには6へと、偉大な速攻持ちの空の王によって落とし込む。

Zacに出来たことと言えば、《火の力/Power of Fire》で《二人組み》を葬り、Jelger側の《燃えがらもやの卑劣漢/Cinderhaze Wretch》をやっと止めてみせるくらいだった。Zacは《火の力/Power of Fire》と《痕跡焼き/Burn Trail》を組み合わせてやっとのことで《亜神》を葬るも、Jelgerの2枚目の《燃えがらもやの卑劣漢/Cinderhaze Wretch》見て、依然として彼の顔は安心とはかけ離れた表情にある。

Zacの生死はほぼライブラリートップに委ねられることとなったが幸運なことに彼は《災難の大神/Deus of Calamity》を引き当て、手札には土地のみが残される。そして、Welgerの《増え続ける荒廃/Incremental Blight》が《煤歩き/Sootwalkers》を殺し、2個のカウンターで《大神》を弱らせ、Zacの軍勢をほぼ掌握してしまう。

Zacの幸運はさらに続き、《炎渦竜巻/Firespout》によって、いつもより少し小さな《大神》でのアタックを敢行するのだが、Jelgerの軍勢には《大神》に止めを刺そうと《不気味な戯れ児/Grim Poppet》が現れ、《メロウの垢吐き/Merrow Grimeblotter》までもが追加される。ライブラリーから現れた《火の力/Power of Fire》を見て、第2ゲームに移るために早々とカードを片付けた。

Jelger Wiegersma 1 - 0 Zac Hill

第2ゲーム、後攻を取ったZacはマリガンを選択し、両者共に遅めの立ち上がりとなった。Jelgerの最初のクリーチャーは《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》、これは速攻持ちの《煤の焚きつけ屋/Sootstoke Kindler》との交換になる。Jelgerは《ウーナの門の管理人/Oona’s Gatewarden》でZacの《煤歩き/Sootwalkers》止めようと試みるが、《邪教印の燃えがら/Cultbrand Cinder》がその道をこじ開ける。

《痕跡焼き/Burn Trail》が《煤歩き/Sootwalkers》を打ち落としたところで、Zacは更なる戦闘要員を追加してやろうと、《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》が後に続く。Jelgerは《見張り翼のカカシ/Watchwing Scarecrow》をブロッカーに用意しては見るものの、Zacのチームに《土引きずりの巨人/Loamdragger Giant》が加わるとそれがどんどん取るに足らない小さなものに見えてしまう。

今度はJelgerがロープに追い詰められる番だ、ダメージレースにおいて、彼に勝機はもはやないように思えた。6マナのソーサリーでダメージレースに持って来いなものと言えば?《堕落/Corrupt》X=5、だ。《抉り出し》を葬り、Jelgerにいくばくかの猶予を与える。小考の後、彼は《困惑する策謀/Disturbing Plot》によって《ウーナの門の管理人/Oona’s Gatewarden》を呼び戻し、更なる時間を稼ごうと試みる。パワーカード満載のデッキを操るJelgerは、彼の爆弾カードの投下を開始するために少しでも息つく時間が必要だと考えたんだ。

しかし、爆弾を抱えていたのはZacの方だった。彼の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》がWiegersmaの盤面を一掃し、オランダ人のライフをわずか2点とするアタックを行う。Jelgerの《不気味な戯れ児/Grim Poppet》ですらゲームを引き戻すのには力不足であったようで、《痕跡焼き/Burn Trail》がこのゲームを終らせた。

Jelger Wiegersma 1 - 1 Zac Hill

第3ゲームのために両プレイヤーがシャッフルしている間に、Zacは彼の《土引きずりの巨人/Loamdragger Giant》への愛を繰り返し語った。この怪物はほとんどのデッキにとってはとにかく大きすぎて扱いづらい。それから、これから先のラウンドの勝者が一体どれだけの数の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》を持っているのか、という推測もあった。1121人のプレイヤー達がそれぞれ15枚のアンコモンを受け取り、《増え続ける荒廃/Incremental Blight》と勝利の関係性、彼らは上位卓で一体どれほどの数の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》を目の当たりにするのだろうか?

先行を取ったHillが1回のマリガン、対するJelgerは7枚の手札をキープする。Zacの《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》がマリガン分のアドバンテージを取り戻したが、3枚目の土地を置けなかったせいで、Zacはただ座ってJelgerが丁寧に場を構築し、送り出した《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》と《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》でビートダウンを始めるのをただ見ているしかなかった。《刺す稲妻/Puncture Bolt》が《レッドキャップ》を墓地へと送るものの、彼が3枚目の土地(3枚目の沼)を引くまでに彼のライフは14となった。Zacの最初のクリーチャー(《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》)は《火の力/Power of Fire》と《傷跡/Scar》によって処理され、Zacは《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》の攻撃を受け続ける。

Jelgerの《痕跡焼き/Burn Trail》がZacの《煤歩き/Sootwalkers》を焼き払うともう勝負は付いたかのように思えたが、ついに《邪教印の燃えがら/Cultbrand Cinder》が煩わしい《放火魔》を葬り去る。Zacは《真夜中のバンシー/Midnight Banshee》を抱えていたが、Jelgerの場に並ぶのはどいつもこいつも黒いクリーチャーのみで、とてもいい解答とは言えない状態だ。Zacのライフは既に危険域に達していた。

Jelgerの攻撃によってZacのライフは残り1となる。最後の決め手に、Jelgerの手札には《堕落/Corrupt》があり、場に沼は・・・・丁度1枚。はい、ここまで。

Jelger Wiegersma 2 - 1 Zac Hill
《Quick Questions 2》
by Tim Willoughby

・この環境で、是非とも複数枚引き当てたいコモン・カードは?

Mark Herberholz - 《痕跡焼き/Burn Trail》かな。

Brandon Scheel - 《鎖の呪い/Curse of Chains》だね。

Chris Lachmann - 《絹縛りのフェアリー/Silkbind Faerie》でしょ。(この解答は本当に多かった!)

・一番引き当てたいレア・カードは?

Mark Herberholz - 《黄昏の番人/Twilight Shepherd》だね。

Jelger Wiegersma - Gabriel Nassifがグランプリ・ブリュッセルの予選ラウンドで2枚も持ってたんだ!だから僕も負けちゃいられらいね。(*1)

Brandon Scheel - 《プーカの悪戯/Puca’s Mischief》かな。

Chris Lachmann - 《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》は是非欲しい。(この解答もとても多かった!)

・各セットごとの収録カード枚数が減ること(アラーラの断片からの変更)はドラフトにどんな影響があると思う?

Mark Herberholz - そんなに変わらないと思うよ。使われないカードが減るんじゃないかな。

Brandon Scheel - 必然的にアーキタイプの数が減って、フォーマット幅がすこし狭くなるかもしれないね。

Chris Lahmann - コモン・カードの重要度が上がって、もっとデッキにコモン・カードが入ってくるようになるよ。





(*)- 訳注

1, おそらくカード名を入れ忘れたんだと思う。そのカードの逸話を話してるんだろうけど、これしか書いてなかったもんで。
Round 5 《上位卓より》- Patrick Chapin vs. Mitch Tamblyn
by Rich Hagon

現在、両者共に4-0の成績、常に我々を楽しませてくれるPatrick Chapinに今大会初の黒星をつける指令は、Mitch Tamblynに下った。先行を選び、最初の手札をマリガンするTamblynだが、彼のロケットスタートはそんなことを微塵も感じさせないものだ。

Mitchは《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》から《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》と展開する。対するCapinの初動は《薬の走り手/Medicine Runner》。ゲームはすでに混成フォーマットらしい様相をみせており、2枚の《平地/Plains》と2枚の《山/Mountain》、1枚の《島/Island》が場に並び、両者合わせて3体の緑のクリーチャーが場に出ているんだ!Chapinは後々のために《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》用意し、彼がダメージを受け続ける合い間に、Tamblynは《ライズ》の能力を使って次々と戦線を構築してゆく。

ライフが14となったところで、Chapinは《ヒル結び/Leech Bonder》を場に追加するが、なおもTamblynは攻める手を緩めず、Chapinのライフを11として更なる脅威として《汚れ背の匪賊/Scuzzback Marauders》を場に送り出す。《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》を場に出しながらも、Chapinは残りの余剰マナで5/2トランプルの化け物を《鎖の呪い/Curse of Chains》で対処し、少なくともしばらくの間、無用の長物とした。続くターンMitchの場に現れた《つまみ食い貯め/Morselhoarder》は丁度よい替わり玉といったところか。

Chapinはここで、《メロウの波破り/Merrow Wavebreakers》で飛行を得た《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》により、このゲームで初めてMitchへと傷を負わせることに成功し、ライフ合計はTamblyn有利の18対9となり、両プレイヤーの2枚残されている手札で、ここからゲームはスローダウンするかと思われた・・・Tamblynが彼の勝利へのプランを見せるまでは。手始めに彼は《山背骨の発動/Knollspine Invocation》をプレイ、続けて《霧への変化/Turn to Mist》を捨ててChapinの場で邪魔になりそうなブロッカーを排除する。手順の3つ目として、彼は自らが要する軍勢をレッド・ゾーンへと送り込み、Chapinに残されたライフはわずか1、Chapinに打開の策はなく、第2ゲームに向けてシャッフルを開始した。

Chapin 0 - 1 Tamblyn

サイドボードの間、冗談一つ交わさず、Chapinが後攻を選び、Tamblynは再度1ターン目の《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》からゲームを開始する。《たなびく紺碧/Cerulean Wisps》は期待通りChapinの序盤のマナを円滑にするのに一役買うが、Tamblynが送り出した《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》は《平地/Plains》を場に抱えるChapinに対して非常に有効に働いてくれそうだ。先のゲームよろしく、Tamblynは綺麗なマナカーブを描く展開を見せ、4ターン目に《ルーン鹿乗り/Rune-Cervin Rider》を追加するが、今回はChapinも防御策として《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイしてみせる。

Tamblynは続いて《山背骨の発動/Knollspine Invocation》、をプレイし、Chapinを更に脅かす。《たなびく純白/Niveous Wisps》がChapinに更なるカードを与え、なおも彼の空飛ぶ軍団で果敢に攻め立てながら、Tamblynに4点のダメージを与えてライフトータルを16対13、革新者Chapinの有利とする。5マナを立てて、Tamblynはただターンを返し、Chapinが《バレントンの岩山踏み/Barrenton Cragtreads》をプレイするのをただ見送り、再び飛行と+1/+1修正を得た《シスルダウンの二人組/Thistledown Duo》がTamblynのライフを10へと落とす。ターンの終了時にTamblynは《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》の能力を使って《岩山踏み》を墓地に送ろうと試みるも、Chapinは《霧への変化/Turn to Mist》という回答を持ち合わせており、《岩山踏み》を墓地に送る代わりにゲームの外へと送り出す。

Chapinが自身が持つ7マナうち5マナを使って《小枝の戦這い/Wicker Warcrawler》を場に出す傍ら、Tamblynは《つまみ食い貯め/Morselhoarder》を追加するも、今やChapinの場には10体もの化け物たちがひしめき、Tamblynはどうにも身動きの取れない状態に陥っているようだ。逆にChapinは、《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》を起動して場の土地を全て《島/Island》へと変えた上で、《発想の流れ/Flow of Ideas》で7枚にも及ぶドローを行う。Chapinがディスカードへ移行していいか訪ねると、Tamblynは《つまみ食い貯め/Morselhoarder》の起動型能力を含む全力の7マナを捻り出して《土引きずりの巨人/Loamdragger Giant》をエサに《山背骨の発動/Knollspine Invocation》を起動し、Chapinのライフを16から一気に9へと落とし込めた。明らかに今のTamblynの頭の中には、Chapinがつい今しがた得たカードアドバンテージを有効活用する前に、彼をカリカリに焼き切ってしまおうというプランがあることが見て取れる。

Mitchによる2枚目の《ボガートの放火魔/Boggart Arsonists》が《小枝の戦這い/Wicker Warcrawler》を処理したところでラウンドの残り時間は15分を切り、取り巻きの観戦者は50人はいるだろうか。そのほとんどが、今マジックにおいてもっとも有名なプレイヤーの逆転劇を見るのをを心待ちにしている。しかし、Tamblynは《鎧をまとった上昇/Armored Ascension》を捨ててChapinのライフを5へと落とす。彼らの願いは果たして届くのだろうか?

Chapinは更なる航空戦力を送り出し、Tamblynのライフは現在5、その手には2枚のカードが握られている。《遁走の恐君主/Ghastlord of Fugue》はChapinにとってーもし、生き残る事が出来ていればー大きな脅威となっていたかもしれない。Chapinのターン、Tamblynのライフを3へと削る。そのターン終了時にTanblynは《痕跡焼き/Burn Trail》を捨てて、Chapinのライフはわずか1点、勝敗の全てはTamblynのライブラリーのトップに眠るカードへと委ねられた。何かしらの呪文ならばTamblynにこのゲームの、そしてこのマッチの勝利が与えられ、土地であれば、我々は勝者を決める3戦目へと歩を進めることとなる。


そのカードとは!?


《幽体の行列/Spectral Procession》

Patrick Chapin 0 - 2 Mitch Tamblyn
Round 4 《"パーク"・パークへ、ようこそ?(*1)》- Jamie Parke vs 中村 修平
by Tim Willoughby

Jamie Parkeはこの巨大なグランプリ・インディアナポリスに参加するのに中々幸運な人物だった。プレイヤーリストが張り出される数分前、彼まだ登録の順番待ちの列の中にいて、この大会のために用意されたトーナメント・パックが果たして参加者全員に行き渡るだけの十分な数があるのかが怪しかった。Adrian Sullivanは彼の友人達がトーナメントに参加できるように、少しでも多くの追加パックを用意するべくせっせと働いていた。

その甲斐あってか、丁度参加希望者全員分に等しいだけのパックを容易するに至り、Jamie Parkeはそんな幸運な参加者の一人だったんだ。Jamie Parkeはそこで幸運を使い果たしのかもしれない、というのも、彼の3bye明けこのトーナメント最初の対戦相手が、中村修平、強豪揃いの日本が誇る現時点でのプレイヤー・オブ・ジ・イヤーのトップランカーなのだ。

修平がダイスロールに勝ち、後攻を選択するが、ほんの少しの安定感の差が大きく勝負を左右するため、シールド戦では決して珍しいことではない。両プレイヤー共に1度のマリガンを経て、Jamieが平地から森、《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》へとつなぐ。対する修平は緑単色の様相を見せ、2ターン目の《献身のドルイド/Devoted Druid》がファーストアクションとなる。中村は続くターンの手として《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》が控えてはいたものの、Parkeが返しのターンにプレイした《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》によってライフアドバンテージに差をつけられてしまう。

Parkeのデッキは十分過ぎるほどのカラーバリエーションに富み、場には《平地/Plains》《森/Forest》《山/Mountain》に《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》が並び、修平の《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》には《引き霊気/AEthertow》という回答を用意していた。さらにそのお返しだと言わんばかりに《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》を送り出す。修平はと言えば、仕方なく、守勢に回るべく場を再構築する。《キスキンの盾挑み/Kithkin Shielddare》、《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》と守りのクリーチャー陣を場に送り出す。

双方のプレイヤーが少なくとも3色を使用していることを場の土地で示し、お互いに《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》を場におき、ありとあらゆるコンバット・トリックが可能性として両者の脳裏をよぎる。今、コンバットステップが二人の場にとって果てしなく重要なものと感じられるだろう。

これが両者が序盤のうちに果敢に殴りあいを挑んだ理由であろう。両プレイヤー共にさらなるクリーチャーを場に送り出しては見るものの、なかなか攻勢に持っていくことは叶わない。このお互いに行き詰った状態から、先制を取ったのはJamieだった。中村のターン終了時に《魔法を回す者/Glamer Spinners》をプレイし、航空戦線を強化して攻める。さらに、修平のドローは既に枯れてしまったようで、彼はたった1枚の手札をテーブルの脇へやる。その間に《節くれの彫像/Gnarled Effigy》がJamieの計画を絶対的なものへと。

修平のライブラリートップから降りてきた《鎖の呪い/Curse of Chains》が《野リンゴの群勢/Crabapple Cohort》を戦線から追放してみせる。さらに中村の場には2枚の《樹液染みの森/Sapseep Forest》が出ており、《魔法を回す者/Glamer Spinners》の攻撃をほぼ無効化することが可能である。続くターンには3枚目(Foilのね)を場に追加してみせる。これで、修平が2枚以上の緑のパーマネントをコントロールしている限り、彼のライフゲインシステムは休むことなく機能し続ける。

修平は《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》で攻撃してみせるが、Jamieは《節くれの彫像/Gnarled Effigy》を起動してそのクリーチャーを縮める。Jamieは2点のダメージを受けて、ライフは20へ、結果先のターンで《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》与えた2点のライフをそぎ落とすのみにとどまった。

Parkeは返すターン、《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》へは《禁固刑/Prison Term》という回答を用意しており、さらに《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》追加して修平にさらなる回答を要求する。修平は特にアクションを起こさず、淡々と毎ターンライフを得るのみにとどまる。

Parkeは満を辞して《不気味な戯れ児/Grim Poppet》を場に送り出し、《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》《魔法を回す者/Glamer Spinners》で攻撃を仕掛ける。これに対し修平は予想外の《羽毛覆い/Plumeveil》で答えるが、《戯れ児》を前にしては満足に働くこともできず、《戯れ児》の数個のカウンターと引き換えに《魔法を回す者/Glamer Spinners》の前に散ることとなった。

今度は修平の反撃だ、彼は《刈り取りの王/Reaper King》はプレイしてみせる。しかしこれは《年老いた恐樹皮/Old Ghastbark》からの《禁固刑/Prison Term》がすぐさまキャッチ、だが場には《名誉回復/Vindicate》が残ることになり、中村は更なるカカシを引いてこなければならない。

Parkeは《節くれの彫像/Gnarled Effigy》によって小さくなった《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》を《今わの際/Last Breath》討ち取ってみせ、修平のライフは19へと、しかし彼の場をそれほど脅威ではないものとすることに成功した。Jamieはさらに《白粘土の教団/Order of Whiteclay》を追加する。このレアはJamieに選べる対象がいない今はそれほど脅威ではないもの、テーブルがスカスカの中村の場に比べて、多くのカードで溢れるアメリカ人の場に加えられのだ。

修平はカードを引くと、丹念に場を見回す。すると彼はすでにこのゲームに勝機は無いと知ったのか、時間の無駄だと言わんばかりにカードを片付けた。

Jamie Parke 1 - 0 中村 修平

両プレイヤー共、入念にサイドボードをチェックして、数枚のカードを第2ゲームに向けて入れ替えた。二人とも、3つの不戦勝を消化する間に、各自のデッキを分析・テストする時間があったわけなのだが、このサイドボーディングは、ただカードプール自身と経験で”正しい構築”を導くことが出来るようなセットとは違い、特定のマッチごとに決まった形があるわけではなく、無限の可能性があるのだ。

修平が第2ゲームも再び後攻を選び、Parkeが手札を見て沈思する姿を、ただ落ち着き払った様子で見つめる。両プレイヤーがキープを宣言し、真剣勝負が始まる。

修平は2ターン目に早々と《未熟な鬱後家蜘蛛/Juvenile Gloomwidow》を送り出し、Parkeの《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》に対して非常な有効なカードと言えるだろう。彼は自身の《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をプレイするがParkeの回答は《節くれの彫像/Gnarled Effigy》。どうやら頑強生物にとって決しておいしい取り引きは行えそうにない。

修平は《禁固刑/Prison Term》をParkeの《嫌がらせ屋》につけて、攻めるための道をこじ開け、突撃する。Parkeはただ、ドローして土地を置き、ターンを返すのみ。

続く修平のターン、彼のアタックに対応して《魔法を回す者/Glamer Spinners》を登場させ、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を討ち取る(-1/-1カウンターはない)。修平は《節くれの彫像/Gnarled Effigy》を、取り返しが付かなくなる前に止めるべく《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》でこれを止めるのだが、空を舞う2/4生物の前に手をこまねいている。それでも、修平はライフアドバーンテージを獲得することにすでに成功している。《嫌がらせ屋》の能力に加えて、《樹液染みの森/Sapseep Forest》を場に用意し、再びライフレースでの有利を確立する用意をする。

だがParkeはさらに大きなアクションを用意していた。《炎渦竜巻/Firespout》をプレイし、修平の場を焼き払い、Parkeの場には《禁固刑/Prison Term》の解けた《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》が場に残る。Parkeはさらに修平が場に追加した《野生薙ぎのエルフ/Wildslayer Elves》には自身の《禁固刑/Prison Term》課し、可能な限りの攻撃を行う。《禁固刑/Prison Term》は修平が送り出した《非道な導師/Roughshod Mentor》へと移動する。修平は、総ライフこそ上回っているものの、場の脅威の差を恨めしそうに見つめる。続いて《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》と《鬱後家蜘蛛/Gloomwidow》がParkeの場に追加され、今やビートダウンを始めんと努める。

このプランに対する修平の回答は《羽毛覆い/Plumeveil》であり、少しでも得を出来るようなブロックをしてみるものの、Parkeの手札から《樹皮殻の祝福/Barkshell Blessing》を消費させるにとどまる。続いては《不気味な戯れ児/Grim Poppet》が現れて修平サイドの新たな犠牲者を《野生薙ぎのエルフ/Wildslayer Elves》。修平は《鎖の呪い/Curse of Chains》で《不気味な戯れ児/Grim Poppet》を捕らえ、《小走り犬/Scuttlemutt》をブロッカーとして用意してみるものの、まだまだ彼の向かいの場には対処しなければならない脅威が山積みである。この時点で修平のライフは10まで落ち込んでいた。Parkeの《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》が《犬》を葬ると、Parkeの軍が修平に襲い掛かりライフ2まで落とす。中村はカードを引くと、手を差し出した。Jamieはしっかりと握手を交わし、パンッ、と拳を手のひらに打ち付けた。一日の最初のゲームで勝利するというのはいつでも良いものだが、その相手が、中村ほども実力のあるプロプレイヤーならば、また格別なことだろう。

Jamie Parke 2 - 0 中村 修平





(*) -訳注

1, カバレッジのタイトル、間違いなく公園(Park)とJamieの苗字、"Parke"をかけているんでしょうが、ただ彼の名前として訳すのも、『公園』と訳すのも面白くないのでこんな感じになりました。
《9でオッケー》
by Rich Hagon

ほとんどのプロのミュージシャン達が、できる限り少ない演奏時間でできる限り多くのお金を稼ごうとするのに対して、楽器の演奏を、とんでもないレベルまで引き上げるために彼らの発達期のほぼ全ての時間が費やされているってのは、本当に皮肉な話だ。

マジックプレイヤーにも同じことが言えるんじゃないか?真のプロプレイヤーたちが、怒り狂ってカードを片付けるまでにはまだまだ時間があるー彼らがまさに始まろうする第4ラウンドでやろうとしていることってのは、それほど切迫したものだー実際、クリスマスまでひたすらマジックをやっているであろうSteve Sadinは、バスルームの故障や食料といった煩わしい事を後回しにしているし、本当にたくさんのプレイヤー達が強大な初日全10回戦のシールド戦を戦うことに関してうなり声をあげている。

だからこそ、今大会のヘッドジャッジであるJason Nessが、今朝、この記録破りのプレイヤーの大群を前にちょっと騒ぎすぎたみたいだとして、今日9回戦を戦うってことにさほど問題が無いことを発表した瞬間のことを、是非とも想像して欲しい。プレイヤー、ジャッジ、そしてーそうだよ、読者のみんなーカバレッジ・スタッフからの歓喜の声を。

彼らがシールドデッキのチェック終えるのが、おおよそ深夜になる見込みということで、魂は磨り減る・・・それにSteake’n’ Shakeが毎日24時間オープンしているってのはわかってるから、空腹と睡眠を満たすってのは、ある程度我慢しなきゃいけないみたいだ。ヘッドジャッジの、飴とムチ・・・。
《Quick Questions》
by Tim Willoughby

・この週末、北アメリカ勢では誰が勝つと思う?

Zach Hill - Zach Hillだね、僕は自分のチャンスを逃さないよ。

Jelger Wiegersma - Antonino de Rosaかな。

Jacob van Lunen - Steve Sadinじゃない?


・じゃあ、海外勢の中では、誰が勝つと思う?

Zach Hill - Paulo Vitor Damo da Rosa

Jelger Wiegersma - 中村修平だと思う。

Jacob van Lunen - Antonino de Rosa。ある意味、海外勢だよね?


・シャードームーア・ブロックのシールド戦での土地の適正枚数は何枚だと思う?

Zach Hill - 間違いなく18枚。

Jelger Wiegersma - 18枚でしょ。

Jacob van Lunen - まだ、17枚か18枚か検討中ってとこかな。
《過去の罪(*1)》
by Rich Hagon

長い長いマジック暦の道のりの間で、君は数千を超えるマッチをプレイしているかもしれない。君の全ての対戦相手の中で、おそらくほんの数名は君とこのゲームとの関係においてとても大きな影響を与えていることだろう。特に、君がこのゲームにおいて有名人だとすれば、第4ラウンドで誰とも知れないプレイヤーに当たって彼を倒しても君のマジックの思い出の中では取るに足らないことだと思う。
でも、その対戦相手にとっては、君とただ勝負すること自体がとんでもないイベントで、君の言動1つ1つが彼らの記憶の中にー例え君がそのマッチのみならず、そのトーナメントのこと自体を忘れてしまってもー深く、永遠に刻まれていることだろう。

Jamie Parkeと話をしていて、すぐ横に僕の知らない、そりゃもう背が高いなんてもんじゃないってくらい大きなアメリカ人が立っていることに気がついた。Jamieは僕を彼、Mark le Pineに紹介してくれた。そして僕とJamieの間にはちょっとした過去があることに気がつく。
時を遡ること1999年のロンドン、あれは僕の始めてのプロツアーだった。最初のラウンドを勝って、2回戦ではRpahel Levyに負けたところだった。3回戦で、僕は当時17歳であったle Pineに合い間見える、そしてその当時の彼はマジック界でもっとも熱い若手プレイヤーの一人として人気を博していて、ParkeがTOP8入りし、日曜にKai Buddeに負けてしまった同年の世界選手権でも、le PineはKaiのすぐ後ろで惜しくもTOP8を逃すという好位置につけていたんだ。
僕はめちゃくちゃ緊張してしまっていて、le Pineが僕のデッキをシャッフルした後に僕が差し出したデッキが38枚しかなかったこと告げると、まるで世界が音を立てて崩れていくようだった。恥ずかしくて、信じられなくて、当惑して、、僕は狂ったように消えた2枚のカードを探した。するとそいつらは僕のデッキケースの側面にしっかりとへばりついていた。僕は当然ゲームロスを覚悟していた。するとMarkが言う、『俺がいい奴でよかったな』と。彼はジャッジを呼ばなかったんだ。タダで転がり込む勝利を、求めなかった。
彼の寛大さをいいことに、僕は1ゲームで彼を完膚なきまでに叩きのめし、第2ゲームも僕の思惑通りになろうとしていた。《時間の名人/Temporal Adept》の能力を起動して、ついに彼を僕が望んでいた展開へと追い込む。そう、第2ターンに、彼のランドを1枚で止めたんだー永遠にね。でも残念ながら、それでも僕のライフはやっかいなほぼ毎ターン繰り出される小さなフライヤー達によって減っていて、ライフが6まで落ち込んだところで僕は我慢できなくなった。《時間の名人/Temporal Adept》でのバウンス戦略を捨てて、Markに1ターンだけ、3マナを与えることを許したんだ。すると、たった1枚の《うんざり/Sick and Tired》で僕の《時間の名人/Temporal Adept》は死に、また別のタフネス1のクリーチャーも殺され、間もなくして、僕も死んだ。もちろん、彼は第3ゲームも勝ち、その日それ以降、僕が第2ゲームを取ることはなかった。

今日話をしたけど、彼は僕のことを覚えていなかった。僕と対戦したことも覚えていないし、僕を倒したことも覚えていない、あと少しで《時間の名人/Temporal Adept》によるロックをかけられそうになったことも、《うんざり/Sick and Tired》のことも、ましてや彼が見せる必要のなかった気まぐれの優しさを僕に見せたことすらも、覚えていなかった。

でも、僕は覚えている。そして、彼のーMark le Pine、現在26歳、東海岸にある巨大な多人数オンラインゲーム会社のマネージャーをしており、ここインディアナポリスにはわずか1byeを持って来ているーマジック人生の中で長い間忘れられていたからこそ、僕のマジック・ストーリーの中で特別な存在であるんだ。
優しさってのは、時折、君の記憶にとどまり続けようと戻ってくるもんなんだよ。



(*) -訳注

1, ラヴニカに《過去の罪/Sins of the Past》、同名カードあり。
《"リミテッド"・インフォメーション》
by Rich Hagon

さて、、君ならどうやって、magicthegathering.comを通してここを見ているかもしれないライバルたちにシールドデッキの中身を知られることなく、聡明な若いマジックの才能が織り成すデッキ構築の方法を説明してあげられるかな?
うん、これは決して簡単なことじゃないけど、実際にやってみようと思う。ここで協力してもらうプロが書く週1のコラムは時折リミテッド情報は制限された情報でならなければならいという(*1)、ジャーナリストとしての厳格な一面を思い起こさせてくれる。
そう、その人物とはSteve Sadin、プロツアー・ハリウッドで非常に興味深い、一風代わった我流診断を見せてくれた(*2)彼が、4回戦で対戦相手に合間見えるまでいましばらく時間があるということで、彼がデッキ構築で何をしているのか、喜んで教えてくれるそうだ。

そしてシールドのカードプールが渡される。初めのほんの数分のうちにSteveはカードを選り分け、すぐさまはっきりと2色を絞り出す、しかし、シャドウムーアの特徴としてちょっと手を加えるだけでほぼ単色に近い構成にもなってしまう。混成マナのおかげだね!
彼の最初のデッキは28枚、その横では残りのカード達が、我慢強く輝かしい出番を待っている。このカード山の中には愉快なレア、《刈り取りの王/Reaper King》が鎮座していたんだけど、その力を発揮するには十分な数のカカシ達がいなかったため、すぐさまSteveのトーナメントパックの箱の中へと戻され・・・二度と戻ってくることはなかった。
オズの魔法使いで黄色いレンガの橋を消し去ったように、Steveは、彼のデッキをお気に入りのコモンと、多くのプレイヤーたちが彼らの右腕(あるいは左足)(*3)を差し出してでも欲しがるだろうアンコモンを含めた24枚のカードまで減らした。

ここからが難しいところだ。Owen TurtenwaldとGabe Wallsがお互いにあーでもない、こーでもないと終わりの見えない議論しているのを横目に見ながら(もしたくさんのエンチャント(クリーチャー)をデッキに入れているとして、一体何体のクリーチャーをデッキに入れるべきだと思う?)、Steveは信頼に足る力を持った2枚のタッチカードをじっと見つめる。彼のデッキ全体の質が、タッチをしてない状態の22枚目、23枚目のカードで向上しているかと言われると、若干疑わしいし、デッキもスター性を欠く。でも一体何を抜くつもりなんだ?入れ替え、入れ替えて2枚のカードがデッキを去り、3枚の基本地形がそのタッチカラーをサポートするため追加される。
時計の針が時間を刻む、初めのわずか5分間でデッキの20枚のカードが決められたが、最終決断は最後の最後まで残り続けた。彼が何をしたのかって?うーん、余りしゃべりすぎるのは良くない、それにそのことに関してはSteveに来週のコラムで取り上げてもらうよう、残しておくことにするよ。

最後の決断を終え、Steveの注意は本当に重要なー第4ラウンドまで何をして過ごすか、という問題に直面する。選択肢は昼食、寝る、ひげをそる、ショッピング、そしてホントの勝ち組の選択肢ー『誰か一緒に映画観に行かない?』

あぁ、一応、気になっている人のために。今丁度、追加ターンに入ったところだよ。第1ラウンドのね。

(*) -訳注

1, 本文は"Limited information needs to be limited ingormation",マジックでいう"リミテッド"フォーマットとかけてあるんですね。

2, 何かPT HollywoodでSteve Sadinに関わる逸話があってのことなんだろうけど、そのストーリーが何のことかわからないので無理やりな訳になってしまった。

3, 原文は、"an uncommon that most players would give their right arm (or even left foot) for."で、本来なら『誰もがどんな犠牲を払ってでも欲しがるようなアンコモン』なんだけど、(or even left foot)の部分のジョーク性のために『右腕(あるいは左足)を差し出す』と訳しました。参考までに。
《10対1111 その2》
by Tim Willoughby

はぁ・・・僕がコイントスに負けるなんて信じられないよ!普段はこういうのも得意なはずなんだけどなぁ・・・

さぁ、お分かりの通り、僕の方がたっくさんのTOP10候補がいる、でもって、選択肢はなかったわけなんだけど、Richは2つの意味で簡単な方を選んだと思うんだ。プロポイント合計と、考える必要がないって点でね。ただ、彼がSamを選んだことに関してはちょっと大雑把だったんじゃないかなって思わなくもないね、だって、Samはいつでも『このイベントは俺にとってプレリリース』的な考え方があって、それが彼の人生を(マジック的な意味で)一筋縄ではいかなくしてるんだよね。
ま、それはおいていて、アメリカチームを見ていこう(イェーイ!)。75人の3bye持ちのプレイヤーのほとんどがアメリカ人だ。ここでは僕の選択の趣旨のために、10人全てを3bye持ちのプレイヤー達から選ぼうと思う。単純に他のプレイヤーよりもタイブレークで有利だから、上位率もいいからね。
10ラウンドの初日を経て、ほんの10%弱のプレイヤーだけが2日目へと駒を進めることができるので、僕は少しでも可能性の高いところに賭けていこうと思う。すまないねZac Hill、でも2byeしか持ってないんじゃ僕の票は得られないんだ。

僕のリスト(誰の気分も害したくないからアルファベット順で紹介するよ)の最初を飾るのはTim Aten。Timはあまり旅をして回るのを好まないせいか、今期はそれほど忙しい選手ではない。それでも限られた数のGPは彼にとって理想的な食料みたいだ、だから彼は僕の票を獲得した。決して同じ名前だからって票をあげたわけじゃないよ。

Paul Cheonは今日における、アメリカを代表するプレイヤーの一人で、今シーズンも安定した成績を残している。僕のリストに入るのは当然だ。

続いてはAntinino Da Rosaだ。Ant(*1)をアメリカチームに抜擢することに関しては、彼の多国籍性からちょっとした議論が持ち上がったんだけど、僕は迷わず彼をアメリカチームに引き入れた。この週末の早い段階で、Da Rosaは今年末の数個のグランプリにも参加すると話していた。2009年のプロツアーの権利を得、プロとしての”列車”に乗り続けるために。僕は彼に今回勝ってしまえばいいさ、と言って置いた。もし彼が勝てば僕らは二人ともハッピーで、Richは僕に夕食の借りが出来る。インディアナポリスはディナーのおいしい店がいっぱいあるんだよ。

Mark Herberholzはよく構築の名人として形容されるけども、僕には彼はただただ広義でのマジックの”名人”だと感じられる。僕がプロツアー・プラハでとても馬鹿げたデッキを組んでしまった後、彼のチキン・ダンスを見て以来、彼はいつも僕の頭の中にいて、リミテッドでの僕のヒーローなんだ。がっかりさせないでくれよ、Heezy(*2)。

Chris Lachmanはプロツアー・サンディエゴ勝者である"Sliver Kids"の片割れとして名を馳せ、それ以来そのニックネームから抜け出そうとしている。そのための彼の努力は、今ここで僕のチームに名を連ねるにふさわしいほど、さまざまなイベントで見事なまでの成績を残すに至っている。

Ben Lundquistには、僕はパリでのチームドラフトで初めて出会った。あれは僕が公式に”イギリス人らしくない”というレッテルを張られた日だった。突如としてそれは僕の中ですんなり理解できて、僕がこの週末アメリカチームを請け負うってのもそういうことなんだろう。Benは人並みはずれた『勝つ能力』を備えている。かつてのアメリカナショナルチームの一員であり、3度のグランプリ優勝経験を持っている。彼はKyle Sanchezが選んだ”Paul Cheon以外には負けない選手”にも選ばれていて、今回Paul Cheonも僕のチームにいるけど、そこは許容しようと思う。

Steve Sadinは今や、ライター仲間としてだけではなく、オールラウンドなプレイヤーとしても多大なーもちろんどちらにおいてもそうあるべきであるのは疑いないのだがー脚光を集めている。彼の熱心さ、理路整然とした勝利へのアプローチと彼の話題は後を絶たないが、僕はさらに付け加えたいことがあるーSteveはめちゃくちゃ面白い。だから僕は、彼にスポットを当てることにした。

Luis Scott-Vargas、Paul Cheonの分身でもある彼がこのリストに載らないなんてことは、彼の半身が既にこのリストにいる以上ありえない。現在プレイヤー・オブ・ジ・イヤー・レースにおいて5ポイント差でPaul Cheonを追いかけており、Luisはさらなるポイントを得るためにここへやって来た。その闘志こそ、僕がこの10人選抜に求めているものなんだ。

さて、ちょっとしたペアを紹介したところで(*3)Jacob Van-Lunenを加えておこう。彼は最近、あのZvi Mowshowitzをして”The Man”と形容させるほどの存在だ。僕もZviに異論はない。

そしてもう一人、僕が異論なく推したい人物がいる。Gabe Walls氏だ。GWallsはこの部屋の中でもっとも短い距離を移動してきたうちの一人で、ここからほんの15分の距離に住んでいる。彼はおかしいほどマジックが上手く、最後にアメリカのナショナルチームが世界選手権で戴冠したときのチームの1人でもある。昨日、彼がドラフトする様子を見ていて、僕は自信を持って彼が2日目に駒を勧め、トップ8狙うのに十分な好位置につけるだろうと言える。

オッケー、アメリカ勢諸君、君たちのチームは確かにプロプレイヤーレベルでは負けているかもしれないけど、君たちはまさに巨大な才能の宝庫だ。コレが僕のリスト、僕を誇らせてくれ!

Tim Aten
Paul Cheon
Antonino Da Rosa
Mark Herberholz
Chris Lachman
Ben Lundquist
Steve Sadin
Luis Scott-Vargas
Jacob Van Lunen
Gabe Walls





(*) -訳注

1, "Ant" -Antonino Da Rosaの愛称と思われる。

2, "Heezy" -最初はスラングかと思ったんだけど、おそらくMark Herberholzの苗字、Herberholzから取った愛称かと思われる。

3, 『ペア』ってのはLuis Scott-VargasとPaul Cheonのことと思われる。これは分かると思うけど、念のため。
《10 対 1111 その1》
by Rich Hagon

さぁ、ちょっとバカでおかしな僕が、残りの1111人が日曜日の最後見届けることになるであろう、その名を書き留めておくべき10人の精鋭の名前を挙げてみようと思う。それから、僕の仲間のカバレッジライターであるTim Willoughbyに僕がコイントスで勝ったから、僕が選ぶ10人がどこからやって来たのか選んでいいことになったんだよね!答えは簡単さ。合衆国の外からやって来たのが丁度、ほんの約10名のプレイヤーで、しかもその全員が『マジック血統書』と来たもんで、簡単な選択だったよ。
さぁ、これが僕の選んだ10人だ。あぁ、それから、勝者はよくここからら生まれるってのは、覚えときなよ。ここに来て最初に聞いたかもしれないけどね。

Paulo Vitor Damo Da Rosaは、ハリウッドでのトップ8入賞が記憶に新しい、3度のプロツアーサンデー経験と、3度のグランプリで最後のテーブルに座った経験を持つブラジル人だ。レベル7のプロの魔法使いで、今期既に14点のプロポイントを獲得している。彼の2009年のプロプレイヤーとしての地位はすでに安泰だと言っていいだろう。僕が選ぶ2人目のブラジル人は必ずしも君が予想する人物とは限らない。Willy Edelは今回は欠席みたいだけれど、その代わりにとても価値ある代役を僕のチェックリストに残してくれた。Carlos Romao、2002年の世界王者だ。

Remi Foster -フランスのプロツアー・ヴァレンシア王者はしばらくなりを潜めていたけれど、先のグランプリ・バーミンガムにて妖精たちとともに一気に決勝戦まで駆け上がった。これは余り奮わなかった前半戦からのいい景気づけになったはずだ。

Rephael Levy-このリスト2人目のフランス人は、前期のプレイヤー・ブ・ジ・イヤー・レースにおいて6位につけ、いつでも、どの分野においても優れていることを今一度知らしめようとしている。ここ最近のブリュッセル、バーミンガムと立て続けのトップ8進出がそれを証明している。

Gabriel Nassifは予想外の参加者だが、アメリカ中で彼を手招きするビジネスにつられて彼は再び、呪文を唱える時間をとった。ハリウッドでは2日目進出を果たしたものの、期待通りの結果とは言えないもだった。でも彼の名には8回にも及ぶプロツアー・サンデー経験という箔がついている。多すぎるよな。

僕が選ぶ最後のフランス人は今おそらく生きているマジックプレイヤー中最強、もしくは、少なくともたまに結果を残すのではなく、常に最前線にいるプレイヤーの中では最高のプレイヤーだろう。そう、Guillaume Wafo-Tapa、先のハリウッド2日目終了時点では、13位という酷い(これ、皮肉だからね)成績に終った。このゲームの歴史の中で、面と向かってプレイヤーに心の底から本当にTOP8入りを予測できるなんてのはそうそうあることじゃない。彼はそれだけのものを持っているんだ、シールド戦が弱点(*1)であるかもしれないけれど。

続いて紹介するのはヨーロッパでよく見かける3人の日本人旅行者のうちの2人。プレイヤー・オブ・ジ・イヤー獲得者の斉藤友晴。正直言って、彼がそのタイトルを保持する可能性は極めて低いーもっとも、彼がこのサマー・シーズンの間にプレイヤー・オブ・ジ・イヤーに返り咲くだけの成績を挙げなければ、の話だが。そう意味で、今この記事を書いているこの瞬間もっとも有望株であるのが中村修平、ハリウッドでの準決勝進出により5度目のプロツアー・サンデー進出を果たした。中村は現在34点のプロポイントを持ってプレイヤー・オブ・ジ・イヤ・レースを牽引しており、今シーズンをグランプリ・スタットガルトでの優勝で飾るという素晴らしいスタートを切っている。

お次は、このチームに大歓迎、オランダのJelger Wiegersmaだ。僕らが質問してみたプロの中でこのイベントの海外参加者での優勝者候補として最も名前が挙がったのが彼だ。2桁のグランプリトップ8進出経験を持つ8人のプロプレイヤーの一人であり、2004年のプロツアー・シアトル優勝と、この北アメリカの地でのプロツアー優勝経験もある。

そして、最後に紹介したいライバルは、Sam Gomersall。かつて、もっとも活動的なマジック・オンラインプレイヤーとして世界中にその名を知らしめた男であるが、約18ヶ月もの間ゲームから遠ざかっていた。しかし、2006のリミテッドグランプリ(Grand Prix: Hasselt 2006)をプレイングスキルのみを駆使して戴冠し、恐れられる存在となった。

さぁ、以上だ。残りの1111人のことはもう忘れていい。これらが、この大会の佳境で必要な10の名前たちだ:

Paulo Vitor Damo Da Rosa
Carlos Romao
Remi Fortier
Raphael Levy
Gabriel Nassif
Guillaume Wafo-Tapa
斉藤友晴
中村修平
Jelger Wiegersma
Sam Gomersall

さぁ、Tim Willoughby, 君の番だぜ。





(*) -訳注

1, 原文は”Sealed might be an Achilles heel.”アキレス腱のことで、ギリシャ神話の一説から来てるので『弱点』と訳させてもらいました。日本語でいう『弁慶の泣き所』的な用法ですね。
《イベント論理学(*1)》
by Rich Hagon

ヨーロッパでのグランプリ・サーキットでは、大抵参加者は800人を越えるー2日目進出者枠が64人から128人となりートーナメントは自動的に2つのポッドへと分かれ、各ポッドの上位64名が2日目に再び統一される。グランプリ・プログラムの発展的成功によって、今や僕たちはヨーロッパには僕たちに初日での2つのポッドによる複数同時進行型のトーナメント形式を運用させるのに十分すぎる数のプレイヤーがやって来ることを、大体毎回予測している。歴史的にこれまで、このケースは北アメリカ大陸で見られることはなかった。たとえ参加者1000人という大台に乗ったグランプリであろうと、通常通りの1つに統一されたイベントとして運営する。このスタイルはここインディアナポリスで限界を迎えるかもしれない。

さらなる賞金とプロポイントをグランプリ・サーキットにて上乗せすることになった新たなサマーシリーズの1発のイベントということで、ここインディアナポリスのコンベンションセンターはすごい人で溢れかえっている。記録上でコレまで一番大規模だった北アメリカのグランプリですら今日、この場所のようなことにはなっていなかったのだが、覆されてしまった。(おそらくは4マナのコストで)(*2)

インディアナ州は、数箇所の合衆国マジックの中心地にほど近く、交通の便も悪くない。それに、本当の”ゲーム”の歴史を持つ場所でもある。ん?結果?1121人にも上るプレイヤーが、シールド・カードプールの登録のために席についているよ。そしてあと90分もすれば、7ラウンドでも、8ラウンドでも、9ラウンドでさえない、驚愕のスイスラウンド10ラウンドを開始するんだ。今大会のピーク、(全ての不戦勝が使い果たされる)第4ラウンドは1つのトーナメントで500ものマッチが同時に進行することになるんだろう。

最後に2つ思うところを;1つは、全てのプレイヤーが全てのマッチを終えるまで大会は先に進むことができないので、プレイヤーのみんなが”追加5ターン中にプレイングにかける時間に気をつける”、っていうルールを理解してくれていると希望している。2つ目に、ジャッジによる不十分な調査を祈るのは手堅い選択だと思う。(*3)さぁ、みんな、僕らの長い、長い1日が始まるよ。




(*) -訳注

1, "Logistics"の正確な意味は辞書で引くと『兵站学』で、"Logistic"は『記号論理学』。前者が正しい訳だと思うけどなんのこっちゃわからんし、キャッチーじゃないので意訳してみました。

2, 本文は"it’s been Demolished (at a cost of four mana, presumably.)"とあったので、《破砕/Demolish(ODY)》とかけたジョークだと思います。訳ではわかりやすいように『覆された』としましたので、参考までに。

3, 何が言いたいか正直わからなかったんで直訳気味に無理やり訳してみた。デッキチェックとかのこと言ってるんですかねぇ?
Welcom to 2008 Grand-Prix Indianapolis
グランプリ・インディアナポリスへようこそ!!

僕らの世代の偉大なるウィリアム=スミス氏の言葉にこうある、”夏、夏、夏真っ盛り!(*1)ゆったり座ってくつろぐ時間!”夏真っ盛りの暑さのここインディアナポリスだけど、この夏のグランプリ・シーズンの最初を飾るこの地は、決してゆったり座ってみたり、何かくつろぐようなことをする場所では決して無い。

総勢1121人にも上るプレイヤー達が、今年アメリカ国内でたった一度のシャドームーア・シールド戦をプレイするために集まり、僕たちはーなんとー過去最大のアメリカ国内グランプリ開催することとなる。
数人の見慣れたアメリカ人プレイヤー達に加えて(あ、そうだ。Gabe Wallsはほんの10分でこのコンベンション・センターにやってきたんだよ!)、遠い異国の地から数人のプレイヤーたちが参加報酬とそこで与えられるプロ・ポイントに釣られてやってきている。
もうすでにみんなにもおなじみの2人組であろう(*2)、中村修平と昨年度プレイヤー・オブ・ジ・イヤーの斉藤友晴がやってきた。南アメリカからはPaulo Vitor Damo Da Rosaと元世界王者Carlos Romaoが両者ともに臨戦態勢だ。さらにヨーロッパからはJelger WiegersmaとGabriel Nassifがたった2人のプロの刺客として、翌週行われるグランプリ・ブエノスアイレスを含む大グランプリ・ツアーの一環としてやってきている。

ようこそ、この夏最初のグランプリ・・それも間違いなくとても大規模なものとなるだろう、インディアナポリスへ!!

Fact Sheet:


http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/grandprix/indianapolis08





(*) -訳注

1, 本文は"Summer, summer, summertime (summertime)"とあるのですが、真夏・夏真っ盛りという意味とこちらの夏時間をかけたんだと思います。

2, わざわざコンビとかペアとか使わなかったのはシャドームーアの”二人組”サイクルを意識してるんでしょうね。
現在朝の11時半、もう2回戦が終るか終らないかくらいだと思うんだけどまだカバレッジページすら現れていない。

これは一体何の罠ですかww

何も用事無い予定だったんだけど、急遽用事が入ったのでリアルタイムは苦しくて夜にまとめて更新することになりそう。

出かける前に既に挙がっている分を訳してから出かけたかったんだけどなー。まぁ、しゃーない。
現地ライター頑張れ。超頑張れ。

というわけで楽しみにしてくださっていた方々ごめんなさい。

日本だと今深夜だと思うんで、皆様が目覚める頃には少しでも挙がっている・・・といいなぁww

んでは。

−−−−−−−−−− 追記 −−−−−−−−−−−

用事から帰って現在15:00。

未だにカバレッジページがアップされてない。

まさか今回カバレッジがないとか??

そんな前例ってあるんすかね?

とりあえず、続けてチェックします。

−−−−−−−−−− 追々記 −−−−−−−−−−−

ようやっとサイトオープン。

まだフィーチャーマッチ記事はなくてコラム・ブログ・クイッククエスチョンのみですが頑張って訳します。

ちなみに参加者数は1121人。テラカオス。

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